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第18話
友達と抱き合った。
夜が来る前から貪りあう。
僕は泣く。
無邪気な日常が懐かしくて。
寺にある離れをかしてもらっていた。
男も、寺の息子もここにはいない。
僕が。
僕が。
自分でけりをつけないといけないのだ。
友達が僕の中に入ったままキスをする。
何度も何度も、
「オレには夢のようだ、ごめん、オレには夢みたいなんだ・・・ごめん、本当にごめん」
甘く腰を使われて、喘いだ。
夢みたいだ。
お前の中だ。
お前舌をあじわって。
お前の穴の中でゆっく出しながら擦りたてるんだ。
ささやかれる。
それら全てが夢みたいだと。
そしてそうされた。
舌を噛まれ吸われて、中で出されながら、擦られる。
濡らされる熱さに、僕もイく。
イきながら擦られると、たまらなくて、友達の背中側に爪をたてて叫んだ。
「好きだ。好きだ。ずっとずっと好きで・・・だからこそ諦めてた。ずっと友達でいいと思ってた」
そう囁かれる。
「これからも。友達だ。ずっと友達だ、友達でいいから」
友達の声は苦しげで、嬉しそうで、泣きそうで。
でもイヤらしく僕の中を擦りあげて。
腸壁の襞を裏返し、戻し、擦りたてるのだ。
そんなのが、脳にクるなんて知らなかった。
そこで感じることを、脳が快楽として受け取ることを僕はセックスをして実感した。
乳首を噛まれた痛みを脳が教える。
これは快楽だと。
快楽は脳で。
そして、性器で。
そして心で。
感じるのだと。
「諦めさせないでくれ。オレを。オレを全部やるから・・・もう、諦めるのだけは嫌だ・・・」
友達の声は切ない。
胸にしみて、痛ませる。
深くを濡らす。
奥で放たれる精液みたいに。
僕にくれるの?
もう僕は元の僕じゃないのに。
全部くれるの?
全部。
全部。
僕は繋がったまま、上になり、友達の上に跨がる。
僕は友達の性器を締め付け、蠢き、穴で味わった。
自分から奥に欲しがり、押し込み、引き抜き回した。
腹の上でおどる僕を友達はうっとりと見つめる。
腰を振り淫らに踊った。
腰を上げ下げし、気持ち良いところを探して、夢中で擦り立てた。
気持ちよくて。
気持ち良いことが好きで。
それだけに固執して。
友達は愛していた。
こんな僕を愛していた。
僕が受け入れられない僕を愛していた。
「お願い・・・離さないで!!」
僕は叫んだ。
始まるからだ。
もうすぐ始まるからだ。
僕は花嫁にならなくてすむ?
それとも死体になる?
「離さない!!」
友達が叫ぶのと、それが現れるのは同時だった。
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