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第22話

 引き裂かれるはずのそれを僕の身体は喜んで受け入れた。    「くひぃ」  洩れる声は呼気だけで。    ゆっくり入ってくるそれに引き延ばされる穴の襞が、きしむように気持ち良かった。  伸ばされて、擦られる。  襞が無くなるんじゃないかと思う。  涎が止まらない。    気持ちいい。  大きな手に頬をやさしく撫でられた。  人間のモノではないのがわかるその指は、とても優しい。  頬を撫でられて感じた。  もう全身の神経が、剥き出しになっている。  自分から舌を突き出す。  舌を擦られたい。   噛まれたい。  吸われたい。  唾液が飲みたい。  唇が塞がれた。  舌を甘く咬まれて、泣いた。  欲しかったから。  ゆっくりと身体の奥に巨大なそれが沈んでいくのもたまらなかった。  焼き殺して。  貫き殺して。  引き裂いて。  そういう種類の快楽だった。  見えない身体の皮膚に爪を立てる。  かきむしる。  唾液を流し込まれ、舌を吸われて出ない声の代わりに。  奥をこじ開けられる感覚の鮮烈さは、僕が僕であることを忘れてしまうほどで。  喉をそらして、あげようとする悲鳴を、喉の奥まて舌を入れられ、ふさがれる。  出すことが出来ない声のせいか、僕の中でキツすぎる快楽がたまっていく。  こじ開けられ、そこを執拗に責められる。    僕は泣く。  ひたすら泣く。  涎や鼻水をたらしながら。  僕の性器からはこわれたみたいに何かが流れ続けている。  そして、デカい指は僕の乳首を弄り始めた。  指で潰されるのも、  摘まんで回されるのも、  脳のド真ん中を針で突き刺すように、クる。  口と穴を犯されながら、乳首を弄られる。    たまんない。  たまんない。  たまんない。  奥で出して。  出して。  だしてぇ。  欲しがったなら、奥に出された。  こじ開けたそこに。    熱さに身体の輪郭がなくなりそう。  穴なんか突き破って。    腹の中、ぐちゃぐちゃして。  脳天まで串刺しにして。    殺して。  殺してしまって。  僕は望んでしまう。    たまんない。  たまんない。      たまんない・・・。  「ずっとしてやる」  声がする。  聞こえる。  声じゃないのに。  「もっとくれてやる」  その声は甘い。  甘すぎて怖くなるほどに。  ぼんやり開けた目に。  何かが見えた。  黄金の肌の。  赤い髪の。  目が沢山ある。  巨大な身体の。  でも。  ソレは美しかった。  死肉を貪る化け物には見えない。  僕を嫁取りに来た化け物は。  今、僕に見えるようになった化け物は。  それだけ、僕が化け物に近づいてしまっているからこそ見える化け物は。  僕を犯している化け物は。  思っていたのとはちがって。  美しかったのだ。  凶悪な姿ではあっても。  今、僕には。  ソイツが見えた。  

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