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第23話
こじ開けられる奥を愛した。
擦られ、裏返されそうになる腸壁の襞が大好きになった。
突かれたなら脳が焼かれる穴の中のソコも、その亀頭で刺されたならグプグプ開く奥の弁も、自分の身体なのに他人のように愛しくて、気持ち良かった。
「儂の花嫁」
金色の化け物は、沢山ある目で僕をみつめて、声にならない声で囁いた。
「愛しい・・・身体の奥まで可愛い・・・花嫁」
奥をこじ開けられながら、唇を塞がれ、喉の奥まで犯された。
もっと。
そう思った。
もっと。
腰をくねらせ、舌を噛んでねだった。
低く笑う声がした。
声ではないから唇を繋げているのに聞こえる。
「可愛い花嫁。もっとくれてやる」
化け物が言う。
目を開いたままするキス。
額にも頬にも沢山ある目の全てが僕を熱っぽく見ていた。
「もっと、だ」
化け物はそう告げると、激しく僕を突き上げ始めた。
口の中も喉まで舌で犯しながら
身体がしなう。
イクのが止まらない。
中で。
出して。
口で。
喉で。
化け物が気持ちいい。
化け物がいい。
化け物のちんぽ好き。
舌、好き。
喰われたい。
貪られたい。
こんな大きいの。
こんなやらしい舌。
僕を欲しがってみつめる沢山の目。
熱い金色の肌。
もういいんじゃないか。
いいや。
いいや。
気持ちいい
そうおもいかけた時だった。
「嫌だ!!、拒否しろ!!行くな!!」
誰かの声がした。
その声を良く知ってた。
中学の時からの親友だ。
ずっと側にいてくれた友達の声だ。
「行かないでくれ!!」
友達は僕のつま先を握りしめ、何度もつま先にキスしていた。
揺さぶられ、痙攣し続ける僕の身体に。
そのつま先へのキスは、犯され貫かれる感覚に比べたらささやかなのに何故か届いた。
「お前、消えかけてる・・・・」
友達が泣く。
そうか。
そうか。
僕は拒否出来ないから、向こうに行きかけてるんだ。
激しい動きから、ねっとりとしたいやらしい動きに腰が変わる。
それは僕の身体の奥に生まれつつある、何かを刺激した。
僕の穴が自らぬかるむのがわかった。
濡れてる。
濡れて、化け物の精を奥へとこの身体は欲しがっている。
僕の奥は何かになってる。
僕の身体はさらに変わっている。
「子を産んでくれ」
化け物が甘く囁く。
「もう子供が生めるようになってるかもしれへんな」
あの男の言葉が聞こえた。
そう言っていた。
コイツらは僕に子供を生ませたいのだと。
それを身体と頭の両方で理解した時、僕は恐怖した。
身体の奥へとそそぎ込まれる化け物の精に怯えた。
嫌だ!!
嫌だ!!
化け物の子供なんか産みたくない!!!!
「行くな!!」
友達の声がもっときちんと聞こえた。
嫌だ。
嫌だ!!
僕は。
僕は。
子供なんか産みたくない!!!!
熱く僕の奥に吐き出されるそれを僕は嫌だと思った。
それはとても気持ちよかった。
でも、ダメだった。
そして何より、化け物に犯され、子供まで孕まされようとしている僕をそれでも離したくないという男の側を離れたくなかった。
犯される僕のつま先にキスして懇願し続ける、馬鹿な男。
馬鹿だ。
馬鹿だ。
友達だと言ってるのに。
今でさえ、お前は友達なんだ僕には。
僕の身体は化け物やお前を欲しがっても、いや、色んな男を欲しがっても、心はそういう風には動かないのに。
馬鹿な。
馬鹿な男。
「誰に抱かれても、誰に感じても、誰を欲しがってもいい、離れないでくれ、行くな!!」
馬鹿な男が泣いていた。
泣いていたから。
泣いていたから。
そして、子供なんか産みたくなかったから・・・。
僕は叫んだ。
口を犯されていたから声ではなかったけれど。
でも叫んだんだ。
「嫌だ!!!お前の花嫁になんかならない!!」
そして、ため息が聞こえた。
それはとても悲しい声だった。
胸が何故か痛んだ。
犯されたのは間違いないのだけど、僕が本当に拒否したのは今が初めてだったからだ。
「可愛い・・・いや、もう花嫁・・・ではないのか」
悲しい声だった。
でも、身体が離れていくのはわかった。
引き抜かれる感覚にイった。
「可愛い・・・可愛い・・・可愛い」
悲しい声がして、優しく頬を撫でられて。
そして。
消えた。
終わったのがわかつた。
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