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第2話

 喉から嗚咽が漏れ、目が覚めた。  辺りを見渡せば、男達が外套に包まり、土の上に座して眠っている。自分も、その一人だった。 「何か言ったか?…ディーグ?」  すぐ隣で低い声が上がった。  見れば、まだ若い銀の髪をした青年が、目を覚ましたところだった。 「…いや。なんでもない。起こしちまったか、エィウルス」  エィウルス、と呼ばれた青年は、いや、大丈夫だ。と一言返すと、再び目を閉じた。 「明日には城に戻れる。そうしたら、お前も幻朧の一員だな」  そう言ったディーグは、しばらく返事もなく沈黙が流れたので、再び眠ったのだとそう思った。 「…そうだな」  ディーグが再び目を閉じた瞬間、エィウルスがそう答えたのを、静かに聞いた。

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