19 / 20
第18話
松明から溢れるのは、火の雫。
「燃やせ、と仰られたのには、少々私も焦りましたよ」
血に彩られた寝台に近づき、バルはその横たえた姿を見下ろした。
白い肌は更に青白く、血は流れ尽きたのか静かに紅に染まっている。
「あなたのお体は、私が無事、送り届けましょう」
この、黒い狗が。
抱き起こしたその頬に、一筋の雫。
「あなたの、懐かしく、呪わしい楽園に」
ともだちにシェアしよう!
fujossyは18歳以上の方を対象とした、無料のBL作品投稿サイトです。
19 / 20
ともだちにシェアしよう!