19 / 84

第16話

「さくー、そろそろ行くよー」 と部屋で時間割をもういっかい確認していたら聞こえてきた 「今行くー」 玄関に行くとスーツ姿の成世がいた 「今日は会社じゃなくて外で仕事があるから、俺もそのまま行く」 「へー」 「じゃ、行くか」 車で三十分ほどで学校には着いた 意外と近いところにあったんだな... てこの学校って金持ち多いことで有名なとこじゃね? 流石成世の学校だな。 学校の前で降ろされるのかと思ったが車は、学校の敷地内に入り駐車場に停められた そして何故か成世も一緒に車から降りた 「なんで成世も降りるん?」 「なんでって今日の仕事はここの事やるから、 最低週一はこここないとと京希がうるさいんだよね」 「まぁ、これからはさくのこと見れるから毎日来たいくらいなんだけどね」 「げ...まじかよ。」 「取り敢えずさくは職員室行って俺は行かなきゃ行けないとこあるから」 「ん、わかった」 ......やばい迷子になった。 この学校広すぎんだろッ! てかここ何処だよぉ、 「誰かに聞くか...」 「あの...職員室ってどう行けばいいですか?」 俺は勇気をだして廊下を歩いていた男子生徒に声をかけた 「君もしかして転校生?今日来るって噂ホントだったんだ!」 「俺2年A組の中村 春弥(なかむら しゅんや)!」 「あ、えっと俺は望月 咲人同じ2年」 「じゃあタメか!咲人って呼んでいい?」 「うん、いいけど」 何だこいつ距離近いし... 「俺のことは春弥って呼んでね!」 「わかった」 「んで、職員室だっけ、この学校広いから最初は迷うよね俺も1年の時よく迷った」 春弥はついてきて連れてってあげる といいながら歩き始めた 「ここが職員室!」 「ありがとう助かった」 「んじゃ、俺教室戻んなきゃだからまた後で会えたらな!」 と春弥は走り去って行った なんか嵐のようなやつだな... そう思いながら俺は職員室のドアを叩き入った 「お、きたきた迷いませんでしたか?」 と紳士的な男性教師が話しかけてきた 「あ、最初は迷いましたけど連れてきてもらいました」 「それは良かった」 「咲人くんのクラスは2年A組ですね」 春弥と同じだ... 「私は2年A組の担任の生田 遊李(いくた ゆうり)です、 生徒からは遊李先生って呼ばれてるのでそう呼んでください」 「...よろしくお願いします」 「この学校のクラスは1に家柄2に学力で 振り分けられているのでA組は1番上のクラスになりますね」 成世の権力か...... 「咲人くんの保護者は組ちょ...ゴホン藤沢社長なので必然的にA組になります」 「はぁ...」 てか俺の保護者は成世なんかよッ! しかも、今この人組長って言おうとしてなかった?... 「では、教室に行きましょうか」 「あ、はい」 教室に向かう途中に学校の細かい説明を受けながら向かった 遊李先生は最近赴任してきたばかりでまだ分からないところもあるらしいが 大体のことについては知ることが出来た 「それじゃ教室に入りましょうか」 「はい」 転校するのは初めての経験だ、自己紹介ちゃんと出来るかな... ガラガラガラ 教室の扉が開くと視線は俺に集中した 「転校生?なんか可愛くね?」(男子生徒1) 「え〜可愛い〜」(女子生徒1) なんて声も聞こえてきたが言われ慣れているのでスルーする事にした 「はい、じゃあ自己紹介お願いします」 「えっと...望月 咲人です、よろしくお願いします」 パチパチパチパチ 何とか噛まずに言えて一安心だ... 「じゃあ咲人くんはあそこの席に座ってください」 普通というか転校生のおなじみの席は1番後ろの窓際だが俺が指さされたのは 1番ドア側の列の1番後ろ...なんか珍しいな。 なんて思いながらも席に着いた、前の人を見るとさっき職員室まで案内してくれた 春弥だった、近くに友達とまではいかないが顔見知りがいるのは心強いな

ともだちにシェアしよう!