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第27話

「咲人くん、これで冷やしてください」 そう言って日高さんは俺に氷を渡してきた あの後俺は車に乗せられて帰ってくるつもりのなかった家へと帰ってきた 「ありがとうございます…」 氷を受け取った俺は自分の部屋へ向かった ドサッ はぁー… 俺のため息は無駄に広い部屋全体に広がった 「春弥と流星にもう会えないんかな…柊輝にも…」 ぽそりと呟くと目から涙がこぼれてきた 親が死んだあの日から涙なんてこぼしたことは無かった 泣いている暇なんか無かった そんな事を思っているとどんどん涙が溢れてきた ガチャ 「咲人くん、どうしたんですか?」 そのまま俺が号泣していると日高さんが部屋に入ってきた 「ヒクッひ…日高さんッ…ゔぐッ」 日高さんは号泣している俺を見ると何も言わずに頭を撫でてきた 「ゔ〜〜ッ……ヒクッ」 その行動に俺は更に泣きだしてしまう そして俺は泣き疲れたのかそのまま眠ってしまった、俺が寝るまで日高さんはずっと傍で頭を撫でてくれていた 朝──── 「あ゙ーー…枯れてる、」 昨日久しぶりに号泣して声が枯れた てか、俺昨日、日高さんの前で泣きじゃくった?! 高校生にもなってはずい… そんなことを思いながら俺はリビングへと向かった 「咲人くん、おはようございます」 「あ、おはようございます…その、昨日はすいませんでした…//」 「いいんですよ、まだ子供なんですから」 日高さんはニコリと笑いながらそういった 「いや、俺もう高二です」 「まぁ、そんな事よりお風呂入って落ち着いてください」 「…はーい、」 日高さんに言われ俺は風呂に入ることにした 「ふぅー、さっぱりしたぁー」 「あ、咲人くん、上がりましたか」 「ご飯作っておきましたから食べてくださいね、あと私は予定があるので別の者を来させますから」 別の人って暁夜は…? 「わかりました…」 「では」 日高さんはそういうとそのまま玄関へ行ってしまった その後ほとんど日高さんと入れ替わりでピアスが付きまくってるチャラめの人が入ってきた 「こんちゃー」 「俺は安積 結翔(あずみ ゆいと)よろしくな」 「ど、どうも望月 咲人です」 安積って春弥達連れてった2人の1人だよな... 「あ、あの暁夜ってどうしたんですか?」 俺は安積さんに暁夜のことを聞いてみた 「あー…暁夜は今入院中っていうか…」 え? 入院中…? どうゆう事だよ… 「えッ…どうゆう事…?」 「そのー、咲人くんを逃がした事で制裁を受けたっていうか…」 「せい、さい?」 俺が逃げたから暁夜が怪我したんか? ダッ そう思うと俺は走り出して 部屋へ向かった

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