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第31話

(咲人side) 俺の熱は解熱剤が効かないらしい 安積さんが俺にお粥を作ってくれて それを食べたあとに睡眠薬を飲んで眠りについた 夢の中で何故か成世が出てきた 俺が何回名前を呼んでも成世は振り向こうとしない やっとの思いで手を掴んだすると誰かに頭を撫でられたなんだかほわほわとした気分になった 「んー…」 ヌクッ ケホッ…寝たから朝よりはマシになったな… まだベッドから降りる気力ないし頭もまだズキズキする… 「成世ぇ…ヒクッ」 俺は何故か帰ってきていないはずのアイツの名前を呼びながら泣いている あいつに縋るとか俺どんだけおかしくなってんだよ… ガチャ 「さく、起きた?」 ぇ…… 「ゴホッ ゴホッな、なるせ…グス」 安積さんが入ってきたのかと思えば帰ってきていたのか成世がそこにいた 成世は俺の傍までやってきた 「まだ身体きつい?」 …コクン 成世の問いかけに俺は涙目で頷いた 「ちょっと待ってて、永宮呼んでくるから」 グイ 「ま゙って…」 俺は部屋から出てこうとした成世の袖を引っ張り腰に抱きついた 「ヒクッ…いかないでヒクッ」 「でも、、」 俺は成世を下から見上げた 「あー!もう!それ反則!」 成世は頭をガシガシしながら言った ガチャ 「組長、咲人くん起きたならはやく伝えてくださいよ」 永宮さんがそう言いながら部屋に入ってきた 「さくが可愛すぎて」 「はいはい、取り敢えず咲人くん寝かしてください」 「咲人くん身体の調子はどう?」 永宮さんさっき成世のことスルーしたよね? いや、永宮さんつよ… 「まだダルさとか頭痛はある?」 コクン… 永宮さんは俺が話さなくてもいいように質問をしてくれた この人は絶対いい人だな… 「食欲は?」 フルフル 俺は首を横に振った、まだ食べ物が喉を通りそうにない 「んー、でもなんか食べないとなぁ…」 「お粥だけでも食べれる?」 ……コクン 「そっか、じゃあお粥準備してもらうからちょっと待ってね」 俺はこのやり取りをしている間でも成世の袖をずっと掴んでいた 成世も俺の頭を撫でてくれていた、夢の中で感じたほわほわとした気分になる 自分でも何でこんなことしてるのか分からないでも 身体の調子を崩すと甘えたになるだろ? 俺の甘えた対象が成世なだけだ

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