62 / 84
第57話
「なぁ、この体制やりずらねぇの?」
俺を膝に抱き抱えてよく分からない資料を見つめながらパソコンをいじる成世に聞いてみた
いくら俺が平均よりちょっと、、ほんのちょっとだけ身長が低くて成世との身長差が20cmくらいあったとしても、男子高校生を抱えながら仕事するってどう考えてもやりずらいだろ
それでも成世の答えは、
「全然、寧ろ捗る」
ですよねー。でも、俺学校の課題あんだけど
言ったら取り敢えず離してくれねぇかな
「俺学校の課題やってないから1回離して」
ダメ元で言ってみたけど仕事に集中してるのか意外とあっさり離してくれた、その後俺は成世が仕事してる机の横に違う机がセットされてそこで課題を広げてやり始めた
んー、、分からない。
休んでる期間長かったし、流石金持ち進学校の上のクラスって感じで授業の進みが早いしノートとるのに精一杯で理解が半分しかできてない……
「さく、手止まってる」
いつものチャラチャラとした声じゃなくて仕事してるときの真面目(?)な声で淡々と言われて意識が成世の方へ向く
「どっか分かんないの?」
「うん、ここ」
俺が分からないところを指すと成世はパソコンをいじる手を止めて教えてくれた
「さく、結構基礎的なとこでつっかえてるけど今月末のテスト大丈夫?」
「ゔ……」
成世に痛いところをつかれて言葉が詰まる
今月末に中間テストがあるんだった…
あの学校のテストって事は絶対難しいよな、せめて赤点は回避したい……
「大丈夫……じゃない」
てか、元々成世が俺の事休ませまくるから授業にどんどん置いてかれたんじゃん…
「確かに俺がさくの事休ませたのが多かったけど殆どさくが悪かったよな?」
まるで心を読んだかのような言葉に俺は
ギクッとして成世のことを見た
「いや、声出てる」
「え?!…マジで?」
うわぁ…やっちゃった系じゃん…
成世は、無意識?可愛い〜 なんて言いながら俺の頭をいつものように撫でて席を立って誰かに電話をしていた
成世の口調からして日高さんかな、
「…………さく………うん……」
離れててよく聞き取れないけどなんか俺の事かな、なんの話しだろ。
しばらくして電話を終わらせた成世が戻ってきた
「明日から19時から23時までは俺がつききっきりで教えるねニコ」
「えッ?!…何言って、てか仕事あるんじゃねぇの?!」
しかも、19時から23時って4時間?!俺そんなに勉強した事ないんだけど
「それは大丈夫、さっき京希に言って調整させた」
さっきの電話はこの事だったんだ……
ともだちにシェアしよう!