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第78話
「さく〜、着替え終わったなら座って」
言われた通りなるべく刺激しないようにゆっくりと歩きながら席に着いた
入ってるだけでも辛いのにいつ動かされるか分からないとか……
「もうやだ…」
椅子に座って机に伏せていると成世が朝ごはんを運んできた
食べやすいようにしてくれたのか今日はおにぎりにしてあった
その他にもみそ汁、卵焼き、おひたしなどが並べてあった
「いただきます」
正直いって今日はいつも以上に食欲がない
あんなの挿れられて普通にご飯食べてる人いないだろ
それでも食べないと成世に怒られるからちまちまとおにぎりを食べる
「…もう無理」
おにぎりをひとつ食べ終わった所で俺の限界を迎えた
「じゃあ、おにぎり以外は頑張って」
そう言うとおにぎりの皿を持っていった
おにぎり以外って…結構あるぞ
キッチンの方で何かをしている成世に訴えるように視線を送る
「ん?どうしたの」
視線に気づいた成世がこっちに向かってきた
食べれない と言うと俺の後ろに立った
椅子に座る俺を後ろから覆うようにして顔を耳元に近づけた
「何、食べさせて欲しいの?」
「!!なわけ…てか、耳元まじやめろ//」
わざと耳元で話してきてるだろ…
「へぇー…」
後ろから腕が出てきたと思えばスイッチを手に持っていた
「え、ちょ…まって」
また俺に見せつけるようにゆっくりとダイヤルを回していった
「ふッ…//な゛んで!」
少しずつ刺激が強くなって力が抜けていく
「いいじゃん、さくも気持ちいいでしょ」
強くも弱くもない微妙な刺激で止めて俺の箸を取った
「や…むり//」
「ほら、食べないと持たないよ」
元々小さめに切られていた卵焼きを更に小さくして俺の口のそばに持ってきながら、また耳元で言ってきた
「だからッ!耳元…//」
「早く食べないと、俺仕事遅れちゃう」
この状態で食べろとかやっぱコイツ鬼だ、悪魔だ
ゆっくりと口を開いて成世の手から卵焼きを食べた
「いい子、このまま全部いっちゃお」
ペースを落とすことなくどんどん口に運ばれて食べ終わる頃には俺は少しぐったりしていた
「はい、もう行くよ」
「も…止めろッ」
「えー、どうしよっかな」
「おね、おねがい…//ンッ」
この微妙な強さで刺激され続けたら辛い…
「さくからキスしてくれたらいいよ」
もちろんここね と口を指さしながら笑った
「……わ、かった」
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