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身体だけ!?(12)

質問?これ以上ニールのことを知ってどうするんだ?俺達は…深い関係ではない。 俺は首を横に振る。 「そう。俺、シャワーを浴びてくるから、もう少し待ってて。楽にしてくれてていいから。」 さっきまでとははっきりと醸す空気の温度が違う。 俺が余計なひと言を言ったせいか? でも、何故気を悪くする必要がある? 俺達は嫉妬し合う、そんな関係ではないだろ? …とにかく。 これから俺がニールに抱かれるのは間違いない。 そのつもりで俺をここに呼んだのだろうから。 この、待っている時間が半端なく恥ずかしいしもどかしい。 ヤるならさっさとヤってほしい。 この部屋に…俺以外の“ちゃんとした恋人”を何人招き入れたんだろう。 あの微笑みをあの逞しい身体を一体どんな人達がすり抜けていったのだろう。 女々しいな、俺。 何だか頭が回らなくなってきて、ぽすんとソファーに横になった。 クッションをひとつ胸に抱くと、微かにニールの匂いがした。 これ、持って帰ろうかな…いや、バレるか。 そうだ!同じ物を買ってすり替えれば… いやいや、それはダメだよ。 それにしても、俺の好きないい匂いだ。 すんすんと嗅いでいるうちに、風呂で身体が温まりお腹が満たされていた俺はいつしか微睡んでいたらしい。 ん…俺の好きな匂いに包まれている。 何だか身体がふわふわして動いている。 ここは…何処だ!? はっ! 「あ、起こしたか?」 「ええっ、ニール!?何で!?あっ…そうか…寝落ちしたか…ごめん。」 「あまりに寝顔がかわいくて起こさないように連れて来たんだが…結局起こしてしまったな。」 「ここまで!?俺、重いんだけどっ。」 「俊樹を運ぶくらいの力はあるよ。 君が目覚めたなら…」 ニールはニヤリと笑うと、俺が抱いていたクッションをそっと外した。 「抱くなら俺にしろ。」 そして端正な顔が近付いてきて…俺は……

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