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景色が変わる(2)

ニールが顔の角度を変えると、唇が触れ合った。 ふにゅ、と柔らかな感触に心が跳ねる。 「ニール…」 「俊樹…」 ちゅっ…ちゅっ、ちゅ…ちゅっ 「んぐっ、もう、ニールっ!」 はぁはぁと息を荒げて、肩を突っ張り距離を取る。 ニールは『何で?』と言いたげに首を傾げている。 「もう、しつこいっ!!!」 そう言ったのに、ぼふんとニールの胸に顔を押し付けられ、抱きしめられる。 「ごめん!でも、もう俊樹への気持ちを我慢しなくてもいいんだ、と思ったら…止まんないんだよぉ。 なぁ…今日、休めないのか? 俺、俊樹とこうしていたい…」 「ばっ、ばかっ! 俺の休みは昨日までだ!散々満達に心配と迷惑を掛けて、無理矢理捻じ込んでくれた休暇だったんだ。 …これ以上、檸檬君に負担は掛けたくない… それに。 お前だって、昨日一日俺のために潰してるだろ? 会社のトップが私事(わたくしごと)でそんなことするな!」 はぁ、とため息をついたニールは、俺の頭にぐりぐりと頬を擦り寄せ囁く。 「俊樹のそんなとこも堪んないんだよ…」 甘えてくるニールの頭をそっと撫で返す。 そんな俺の反応に、ニールがふっ、と笑みを漏らしてキスを落としてくる。 軽く触れるようなキスを受け止めながら、心の中で俺は叫んでいる。 『俺だって…俺だって。 やっと想い人と心も身体も重ねることができたんだ。 離れ難い…のは、仕方がない…よな。 でも、ケジメはつけなければ。ただでさえ、無理に休みを貰っているんだ。これ以上甘えるなんてできない。 週末には、ニールとの時間を作るから…』 突然、ブブブッ ブブブッ、と携帯が鳴る音に思考を寸断された。 この着信音は満だ。こんな時間に?何かあったんだろうか。 「…ニール、ゴメン…」 一応断ってから逞しい胸から抜け出して画面を見た。

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