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景色が変わる(5)

うつ伏せにされて腰を掴まれ、ニールを受け止めている。 支える力をなくした腕はシーツに沈み、俺自身は揺れる度に直にシーツに擦れてそこからも痺れるような快感が湧き上がってくる。 時折背中に当たる柔らかい熱は、ニールがキスを落としているのだろう、擽ったさを生む。 好きな男に抱かれている。 それだけで何もかもが高揚していく。 蕩けて正常な判断ができなくなっている頭は、ひたすらに快楽を追い求める。 使命が 家族が 世間体が 仕事が そういったことが頭の隅に追いやられて、存在が消えていく。 「俊樹、俺のことを好きだ、と言え! 愛してると、叫べっ!」 何度も叫ぶニールの声が呪文のように聞こえる。 俺は無意識に口を開いていた。 「……だ」 「聞こえない。」 「…きだ…」 「ハッキリと。」 ニールは判決を下す裁判官のように畳み掛ける。 「…好きだ…好きだ、好きだっ! ニール、お前のことを愛してるっ!! …あっ!!!」 ぐじゅ、と奥深く捩じ込まれた圧迫感に、喉がひゅっ、と鳴った。 じわりと身体の奥に感じる熱が、俺を満たしていく。 でも、嫌だ。この格好は嫌だ。 「…ニール、ニールっ…これ、やだ」 首を捻り、ニールを見上げて必死で訴える。 「“やだ”って…どうしたいんだ?」 「…ちゃんと、顔を見て、繋がりたい…」 大きく目を見開いたニールが、無言で俺の身体を反転させた。 「うわあっ」 繋がったまま動かされて、あらぬ所に当たって目から火花が散った。 身体がびくびくと痙攣している。 ニールは俺の頬を撫でながら 「全く…俊樹は俺を煽る天才だな… ダメだ、もう手加減してやれない。」 手加減?今までも相当だったけど?まさかこれでもセーブしてたってことか? ヤバい…俺、何かニールのスイッチを押した? …それから 喉が枯れる程啼かされ、身体が軋んで動けなくなる程に…抱かれてしまった……

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