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景色が変わる(32)
その後の俺は……
破顔したニールに横抱きにされ、まんまとベッドに連れ去られた。
俺の手首をそっとシーツに縫い止めたニールは、俺の目をひたすらに見つめながら囁く。
「…無理強いはしない。でも、俺は俊樹とひとつになりたい。
俊樹、俺を愛してくれ…ダメか?」
ズルい。俺に選択させるなんて。
それならハッキリと『抱きたい』『抱かせろ』って言ってくれた方が、恥ずかしくなくていいのに。
このまま“NO”を突き付けることもできる。
でも、愛する恋人 にこんなに求められて、拒否できるか!?
俺だって欲はある。抱きたい。抱かれたい。
下半身に、じくりと熱が溜まっていく。
“YES”の言葉が出ない代わりに、俺は大きく頷いた。
ニールが「ありがとう」と嬉しそうに呟きながら、唇を重ねてくる。
柔らかな感触を受け止めながら、目を閉じた。
顔中、ニールの唇が触れてくる。
俺の手首から離れた手は、俺の服を一枚ずつ脱がせていき、少しひんやりとした空気が肌に当たる面積が増えてくる。
目を瞑っている分、感覚が敏感になっているようだ。
開きたくても、自分が素っ裸にされていく様子を見るに耐えず、ぎゅっと目を閉じていた。
俺の服を全て取っ払ったのだろう、寒くないようにと布団が掛けられたのか、大きな布がふわりと身体を覆った。
最初はヒヤリとしたが、そのうちに体温で温まってくる。
少し離れた場所から、カチャカチャ、ぱさりぱさりと音が聞こえてくるから、ニールが服を脱いでいるのだと思う。
布の片側からニールが滑り込んできて、俺を抱きしめた。
「はぁ…」
安堵感と人肌の心地良さに、思わず声が出た。
「俊樹…ただこうやって抱き合ってるだけなのに、気持ちいいよな…」
「…うん…凄く…気持ちイイ…」
同じ気持ちでいてくれて、嬉しくなった。
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