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憧れ(2)
ニールの言葉に寝ていた身体を起こした。
コホン…事後のピロートーク真っ最中である…
ニールも起き上がった。
否が応でも逞しい上半身が目に飛び込んでくる。
くそっ、俺だって一応それなりに鍛えているのに、無駄にイイ身体しやがって。
ぐいっ、と抱き寄せられてニールの胸に顔を埋める。
心の中で悪態をついても、触れ合う肌の心地良さには敵わない。
「聞くのが怖いんだけど…何しでかしたんだ?」
「うん。実は、満に助言 もらったんだ。
『俊樹の家も由緒正しい旧家だから、それなりに筋を通せ』ってさ。
だから、黒原と金山の両家にうちから遣いの者を出してお願いに行った。
『決して浮ついた一時的な気持ちではなく真剣です。俊樹君の一生を任せていただきたい。
必ず幸せにします。是非とも認めていただきたい。』
って。
籍はどちらにするか、とか、式をどうするか、とか、今後のことは、俺達の希望を1番に考えてこれから話を詰めることになった。
とにかく快く受け入れていただいたぞ。」
「…ちょっと待って…ということは、ウチの親の耳に入ってるってことか!?」
「お父さん『俊樹をヨメに出すのか……分かりました。息子を幸せにしてやって下さい』と、すんなり認めて下さったそうだ。いいお父さんだな。
俺達の前に立ち塞がる障害は何もない。
堂々と付き合える。
俺はどうしても俊樹を自分のものにしたくて…逃げ場を失わせるようなことをしてしまった。
…勝手に行動を起こして悪かった。それは謝る。」
俺を抱くニールの腕に力が込められた。
そんなことしなくても俺は逃げたりしないよ、ニール。
それにしても…嘘だろ!?
男と結婚の約束をしてるなんて、親父達の知るところとなったのか!?
それを…すんなり認めただなんて……
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