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憧れ(6)

そこへ檸檬君がパンフレットを持ってきた。 「2人っきりで…ですか。素敵ですね。 遥さんから貰ったパンフレットにも《お勧めの愛を誓うカタチ》ってタイトルで載ってますよ! 皆んなに祝福してもらうのもいいけど、愛する人と2人っきり、っていうのも憧れますね…」 受け取って見たページには、檸檬君が言う通り、その説明と幸せそうに微笑むカップルの写真が載っていた。 「何だよ檸檬、2人でしたかったの? どうする?今ならまだ変更できる…かな? …俊樹…冗談だよ。睨むな。変更はしない。 安心しろ…」 「そっ、そうですよ!変更はしません! 俺は本当に内々で、っていう要望を無理に通してもらってるんですから! 見られて恥ずかしいとか何とか言ってられないですっ!」 「憧れ、かぁ……」 「黒原さん!?」 「うーん…ベストな結婚式って何だろうなぁ…」 「俊樹、お前の理想の式ってどんなんだよ。 ニールと2人でよく相談して決めればいいじゃん! 親父さん達のことは、俺に任せろ。悪いようにはしないから。 ニールとお前が1番いいと思うようにやればいいさ。」 「うーん…今までそんなこと、考えたこともなかったからな。 だって相手もいない、結婚する気もない、まだまだ先の話だと思ってたからさ。 ニールと打ち合わせしてても、何だかぜーんぜん実感がわかないんだよねぇ…」 「黒原さん、俺達の結婚式のことで極めすぎちゃったんじゃないですか? そうだ!指輪!指輪ってもう決めたんですか?」 「指輪?いや、まだだけど。」 「俺、満さんに指輪を買ってもらって指に嵌めた時、凄く嬉しかったんです。 俺はもうこの人のものだ、って。 逆に、満さんも俺のものだ、って。 身につけることで満たされるもの、ってあると思うんです! イメージが湧いてくるというのかな…上手く説明できないんですけど…」

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