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憧れ(18)
もうこうなったら何を言っても聞き入れてくれない。
ボタンを引き千切られるよりマシか。
半ば諦めて抵抗する力を緩めた。
俺が脱力したことに、“おっ?”という表情のニールは、(後で本人曰く)とても丁寧に優しく、俺を剥いていった…らしい。
ジャケットとシャツは、かろうじて椅子の背もたれに引っ掛かっている。
首元までたくし上げられたアンダーシャツ。
ズボンなんてベッドの下に放り捨てられた。
丸まった靴下もベッドの下だろう。
顔の横には外されたネクタイがくったりと横たわっている。
…俺は上半身は胸も腹も丸出しで、ボクサーパンツ1枚の、何とも情けない格好を晒している。
ニールは俺の横に立ち、バッサバッサと思い切り良く服を脱ぎ捨てていく。
はぁ…彫刻みたいな、とは良く例えたもんだ。
綺麗に盛り上がり引き締まった筋肉に見惚れていると、素っ裸になったニールは、残った俺の布切れ達をあっさりとひん剥いた。
そして、軽々と俺を横抱きにすると、意気揚々バスルームへ直行する。
「…あの…ニール、やっぱり俺1人で」
「却下。」
うううっ、と唸る俺を一瞥すると、ニールはご機嫌な顔をしてフン、と鼻を鳴らした。
いくら何度も肌を重ね愛し合っているとはいえ、電気が煌々と照ってどこもかもあからさまに丸見えの状態。
もう恥ずかし過ぎて、顔から火が出そうだった。
「ううっ…恥ずかし過ぎる…」
「何が?」
「だって…丸見えなんだぞ!」
「俺は俊樹の何もかもが愛おしいんだ。
丸見えだろうが何だろうが、ぜーんぜん気にならない!」
「お前はそうかもしれないけど、俺はメッチャ恥ずかしいんだ!」
ニールは俺を脱衣所の床にそっと下ろすと、顔を近付けて言った。
「俊樹…丸見えどころか、今からもっと恥ずかしいことするんだぞ…」
「うぐっ」
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