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憧れ(20)
それからは悔しいことに、ニールの思い通りの展開になっていく。
「自分で拭くから」と言っても、ニールは黙って笑いながら首を横に振って拒否する。
諦めてため息をつきしたいようにさせると、壊物を扱うかのように、全身を拭き上げられ髪の毛も乾かしてくれる。
水をひと口、口移しに含ませられた後は、軽々と抱き上げられて当然のように寝室へ運ばれた。
「…ニール。俺は自分で、んっ」
何か言いかけると、唇を塞がれてしまう。
これじゃあ、キスが欲しくて反発するようなものに見えてしまう。
ベッドに下されて見下ろされると、これからアラレもない姿で愛されるのを想像してしまい、顔が火照ってくる。
「俊樹、顔が赤い。逆上せたか?」
どう答えていいのか視線が泳ぐ。
そんなこと言えるかっ。
「…落ち着くまで、抱きしめ合おう。」
ニールは俺の隣にごそごそと滑り込んでくると、俺を抱きしめて収まりの良い体勢になった。
2人を隔てる物は何もない。
まだ少し湿り気のある素肌から、ニールの雄の匂いがする。
あぁ、好きだ、この匂い。
これから、この匂いに包まれて………
「…俊樹…心臓が壊れそうな音がする。」
「誰のせいだと…」
「ははっ、俺のせいだな。」
「分かってるなら」
「ごめん…実は俺も……」
ニールは身体をずらすと、俺の顔を自分の胸に押し付けた。
ドッドッドッ、と早鐘のような音が聞こえた。
思わず顔を上げると、ニールの視線と打つかった。
「俊樹と愛し合えると思ったら、期待と緊張とで興奮しちゃって。
…身体を繋げなくても、俊樹のことを考えただけでコレだから…」
少し照れ臭そうに笑うニールに、心臓を鷲掴みにされる。
ううっ…これ以上、俺をどうしようって言うんだ!?
心臓が保たない…
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