140 / 174

憧れ(23)

俺ばっかり… ニールがそのつもりなら俺だって…… 「うわっ!?俊樹っ!?」 覆い被さっているニールを横に押し倒した。 そしてマウントを取ると顔を近付けて言った。 「俺も…『愛を込めて』触ってやるよ。」 人差し指で、喉元から一直線に臍までゆっくりとなぞっていく。 ニールは今から何をされるのか、恐れをなしているのか期待しているのか、黙って俺を見つめている。 指を臍に置いたまま、身体をニールの膝の辺まで移動して、更にゆっくりと指を下ろす。 もう既にふるふるとヒクついているニール自身の根本から輪郭を撫でるように指を進め、後孔の手前で止めた。 「おい、俊樹、まさか。」 「ふふっ、どうしようかな。 偶には逆転してもいいんだよね? だって俺だってニールを愛したいんだ。 いいよね?」 「…ううっ…俊樹がそうしたいのなら…我慢する…」 「えっ!?本当に?いいの?」 「…でも、準備してないし…その…えーっと…(ごにょごにょ)」 オロオロと落ち着きのないニール。 それでも拒否はしないんだ。 でも、どう考えても、俺がニールを抱いているところは想像できない。 ニールの『ニール』が、ちょっと萎えた気がする。 「ぶふっ…あはっ、ははっ…あははっ… 嘘だよ…嘘!」 「ふえっ!?嘘?」 「くっくっくっ…そんなに慌てなくても… ニール…今日は俺が…」 つっ…と元気のなくなった竿を撫で上げると、そっと口に含んだ。 「っ…俊樹!?」 いつもニールがしてくれるように…舌先で小さな穴を突き、唇をカリに引っ掛けて扱いてみた。 途端に、口内でぐっとかさを増した楔に驚きつつも嬉しい気持ちで満たされてくる。 味も匂いも決して美味しいものではない。 けれど、愛おしい男のものだと思うと、自然と愛撫の激しさが増していく。

ともだちにシェアしよう!