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憧れ(25)

ニールは俺の中に入り、荒々しく優しく俺を抱いた。 激しい抽挿に反発するベッドのスプリングが、ギシギシとリズミカルに響く部屋は、俺達の匂いで満たされていた。 情欲した青い瞳に見つめられて翻弄され、『愛している』という言葉に耳すら犯されて、頭がバカになったんじゃないかとさえ思っていた。 俺は、何度も何度も達してしまって途中幾度か意識が飛びそうになり、もう正常な判断なんかできる状態ではなかった。 記憶だって残ってはいない。 どんな声で啼き、どんな痴態を晒したのか、恥ずかしくて聞く気にもならなかった。 ただ、後で聞いた話によると…うわ言のように『ニール、愛してる』『俺を愛して』とそればかりを口にしていた、らしい。 ニールが嬉しそうに、によによと笑いながらそれだけは伝えてきた。 「…それがそんなに嬉しかったのか?」 「当たり前だろ!? 愛してる相手が意識朦朧で言ってるんだぞ!? そんな状態で言うのは、本心からの言葉に決まってるじゃないか! 俺は俊樹に愛されてるんだぁーーーっ!!!!!」 「…大袈裟…」 「それでもいいんだ!」 ニールは顔中にキスの雨を降らせ、俺の左手をお互いの顔の前に持ち上げると、薬指に恭しくキスをした。 「ここに…俺達の愛の証が添えられる。 小さなただの輪っかにしか見えないだろうが、離れている時間もこれを見る度に、お互いのことを思うきっかけになる。 どんなことがあっても、俊樹のことを思えば勇気が湧いてくると、そう思う。 “虫除け”効果もバツグンだろうけどな。」 会えないその時間も相手のことを思い出せる。 思うことで頑張れる勇気を受け取り渡し合う。 俺もニールの左手を持ち上げ顔の前に捧げると、薬指にキスを返した。 「俊樹…」 俺は微笑んで、ニールの唇にキスを送った。

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