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結ぶ(4)
絶対遥さんやスタッフさん達も苦笑いしてるはず。
誓いのキスを3度もする奴がいるかっ!?
「ニール…頼む…恥ずかしいからこれ以上は止めてくれ…」
「だって一生に一度だもん。いいじゃないか。
ね、神父さん?」
するとウインクで返してくれた。茶目っ気のある人で良かった。
居た堪れなくて俯くと、キラリと美しい光が。
チラリとニールの左手を見ると、お互いの左手に光る誓いの証。
シャンデリアと外からの光に煌めくそれをじっと見つめていると、気付いたニールが俺の手を取り、指輪にキスした。
うえぇぇぇっ
思わず固まる俺に
「俺達はしっかりと結ばれている。
寄せては返すさざ波のように、繰り返し繰り返し永遠に愛を伝え合っていくんだよ。」
もう、やりたい放題。ニールの独壇場だ。
それがまた嫌味がなくて腹が立つほど似合っている。
本当に、もう。
俺の伴侶はスパダリ過ぎる。
ダメだ。俺の許容範囲を遥かに超えている。一杯一杯だ。
とにかく式が終わるまでは倒れるわけにはいなかい。
今までだって色んな修羅場をくぐり抜けてきたのに、いざ自分のことになると…何とも情けない話だが、走って帰りたい気分満載だった。
…何とか…どうにかこうにか無事に式を済ませ、控室に戻った途端、床にへたり込んだ。
「俊樹っ!?」
案の定、ニールに抱きかかえられソファーに連れて行かれた。
「大丈夫かっ!?」
「…緊張の糸が…ブチ切れた…」
「待ってて!水持ってくるからっ!」
慌てふためくニールを見つめながら、左手をひらひらと動かして指輪の煌めきを堪能する。
「…ほら、水っ!…俊樹、何笑ってるの?
大丈夫?飲める?何なら口移しで」
「大丈夫!水ありがと。」
ペットボトルを引ったくるようにして受け取り、ひと口、ふた口飲んだら少し落ち着いてきた。
ニールは俺にぴったりと寄り添い、身体を摩ってくれている。
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