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結ぶ(10)

あの流れでいくと…絶対に抱かれる… 結婚式を終えたばかりの俺達の今夜は… その時、ふと遥さんから渡されたプレゼントのことを思い出した。 『これは私から“奥様”にお渡ししているプレゼントです。 ダンナ様に中々の評判でして…お家に戻られてから開けて下さいね。』 『開けてからのお楽しみです。ふふっ。』 遥さんの含み笑いに『???』で埋め尽くされた脳内だったんだけど… 一体何だろう。 紙袋から丁寧にラッピングされた箱を取り出した。 白いレースのリボンをそっと外していく。 包装紙も破らないように気を付けて… 「んんん???……何だコレ!?」 ぴらり…と現れたのは…… 「しっ、下着っ!?うわぁっ…コレ…どう見ても…下着だ…」 ふんだんにレースが使われた、白い下着。 かっ、かわいい、けど… コレって女性用じゃないのか!? 何処からどう見ても、そうにしか見えない。 恐る恐る引っ張ってみると、ストレッチが効くのか、くいっ、と伸びた。 俺が男だとしっかり認識した上でのプレゼントだということは…男性用!? 何となく…“前の部分”が立体的にアソコを包み込むように…見える。 「コレを俺に着けろと?」 前後にパタパタとひっくり返してみたり、伸ばしてみたり。 「…こんなんで…ニールは喜ぶんだろうか… 笑われたりしないのかな…」 遥さんの自信満々の笑顔しか思い浮かばない。 マジ? ドン引きされたり…しない? ガチャ、とドアが開く音に飛び上がる程驚いて、慌ててその下着をポケットに突っ込み、リボンや包装紙を紙袋に詰め込んだ。 そして紙袋をさり気なく流し台の下に隠した。 ここならニールは触らないだろう。 「俊樹…早く入っておいで!」 「分かった!今行く!」 動揺しているのを悟られないようにしなくちゃ。 いや、ただでさえドキドキが止まらないんだ。 色々とバレているに違いない。

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