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結ぶ(11)
俺は居た堪れなくて、ニールの横を小走りに通り過ぎようとした。
が…
「あっ」
くいっ、と腕を取られてニールの腕の中に閉じ込められた。
ニールは風呂上がりで上半身はまだ何も身につけていない…まだ少し湿った素肌と、柑橘系のボディソープの匂いに混じったニールの雄の匂い…
胸のドキドキが止まらない。マズい。
「俊樹……コレ、どうしたの?」
ポケットをトントンと突かれ、甘い声音で囁かれる。
何で!?何で見つかるんだ!?
奥深くに捻じ込んだはずだぞ!?
あわあわと挙動不審な俺は、そっと視線をポケットにやると、奥深く突っ込んだはずのソレが、半分以上はみ出していた…
「ふえっ!?いやっ、そのっ、俺が買ったんじゃ、なくって、あの…遥さんからの…プレゼントで…あのっ…」
「プレゼント?へぇ…見せて。」
魔王のような微笑み。
…逆らえずに固まっていると、ニールがゆっくりと手を伸ばし、ポケットのそれを引き出した。
ニールの、ゴクッ、と喉が鳴る音。
「…俊樹…」
あぁ…終わった…俺の人生、詰んだ…
思わずギュッと目を瞑った。
あれ?何も言ってこないぞ?
ニールは…呆れて声も出ないのかもしれない…
今夜は大人しく…
半分泣きそうになりながらそっと目を開けると、真っ赤な顔で俺を見つめるニールの視線と打つかった。
「すっごくイイな…コレを…俊樹が身に着けてるところを…早く見たい……」
え?今、何とおっしゃったのデスカ?
「…あの…えーっと…その…」
「お湯で温まってほんのりと桜色に染まった俊樹の美しい肌に、きっと似合うだろうな…
遥さんも意地が悪い。
ダンナをこんなに興奮させるアイテムをこっそりとヨメに渡しているなんて。」
ほえ!?興奮?え?マジで?
ニールはソレを再び俺のポケットに入れると
「俊樹…早く…もう、待てない…」
と耳元で囁き、動けない俺の手を引いてバスルームに連れて行った。
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