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結ぶ(15)
心臓が口から飛び出しそう、というのは本当だ。
いや、心臓が出る前に嘔吐しそうなくらいに緊張している。
ええぃっ、どうにでもなれっ!
覚悟を決めた俺は、大きく深呼吸して…ドアを開けた。
カチャッ
仄暗い部屋のベッドの上に、ニールが腰掛けているのが見えた。
逞しい上半身を晒して、腰回りにバスローブを纏わせている。
雄の色気がビンビンに伝わってくる…
「…俊樹…待ちくたびれたよ。」
ニールが立ち上がってこちらに向かってくる。
俺はその瞳にロックオンされて身じろぎひとつできないでいる。
ニールは俺の前で立ち止まると、すっと膝を付いた。
そして、俺の左手を恭しく持ち上げると、手の甲と薬指にそっと唇を押し当てた。
俺の前に跪くknight …まるで映画のワンシーンみたいで、声も出さずに固まっていると
「俊樹…俺と結婚してくれてありがとう…
どんなことがあっても、一生離れないと、改めてこの指輪に誓う…
愛しています。」
「ニール……」
ニールは、ふわりと俺を横抱きにすると、ベッドへと運んでいった。
ギシ…と、2人分の重みを受けたスプリングが鳴り、これからの行為を思うと、頭が真っ白になっていく。
ニールは、俺のバスローブの紐をゆっくりと解き、左右に割った。
どんな反応をするんだろう…
俺はそれが気になって、ニールをじっと見つめていた。
ニールは目を見開いて「wow…」と呟いた後、俺の頬を撫でながら震える声で言った。
「…excellent … fantastic …marvelous …
俊樹、美しくて言葉にならないよ…
ねぇ、もう少しちゃんと見たい…」
ニールは手を伸ばして枕元のスイッチを捻った。
照明がさっきよりもぼんやりと明るさを増した。
ニールの顔も肌もハッキリと見える。
「えっ!?待って!明るくしないで!
ニール、ヤダっ!!!」
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