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結ぶ(28)

恥ずかしいけれどイチャイチャが止まらない。 ニールは2人分磨き上げると、少し待つように言って名残惜しそうに出て行った。 腰はじくじくと痛んでいるし、快楽を抱え込んだ身体もあちこち軋んでいる。 ニールのことしか考えられない。 朝っぱらからの甘ったるい雰囲気を嫌だとは思えない俺は、もう『ニール病』に罹ってしまっているのだ。 これは、完治は難しい。 いや、完治なんてしないだろう。 この世に終わりを告げるその時まで、永遠に罹患し続けるんだ。 ニールの色に染められて塗り替えられて。 それを嬉しく思う俺は…バカだな… そんなことを考えながら、俺はひたすらぼんやりと言われた通りに待っていた。 「俊樹、どうしたんだ?」 子供にするようにおでこにキスされた。 「いや、別に…」 「朝からそんな顔してると…襲うぞ。」 「えっ!?ちょっ、待っ」 「あははっ、冗談だよ。 腰の立たないお前を襲う程、俺は鬼畜ではない。 (…ホントはもっと愛したいんだけど…)」 「ん?何て言ったの?」 「ひとり言!簡単に何か作ってくるから横になってて。」 手早く俺をバスタオルで包み丁寧に髪の毛を乾かした後、ニールは俺をベッドに連れて行った。 横たえられたシーツは、サラサラとしていて柔軟剤の香りがした。 あぁ、今の間に替えてくれたのか。 さりげなくこんなことができるなんて、やっぱりニールはスパダリだ。 「…俊樹、すぐに戻るから…そんな悲しそうな顔しないで…」 「ん?悲しそうな顔?俺が?」 首を傾げて“何言ってんの?”的な素振りをしたら 「無自覚は恐ろしい…」 とか何とか言いながら、熱烈なキスを落として寝室から出て行ってしまった。 ニールの匂いがしないシーツに頬を寄せて目を瞑る。 たっぷりと愛された身体の奥が、ずくりと疼いた。

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