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結ぶ(29)

思わず下半身に手が伸びた。 「くっ」 きゅっと握ったそこは、少しの刺激にも反応して…勃った。 無意識にゆるゆると擦っていた。 ダメだ、こんな朝から。 ニールが入ってきたらどうするんだ!? 何て節操のない身体になってしまったんだろう。 そう思うのに、動く手を止めることができない。 俺の手は今、ニールの手になっている。 あのごつごつした大きな手に優しくいたぶられて、絶頂へと導かれていく。 「ふっ…くっ…ふうっ」 声を出してはいけない。 俊樹、手を止めるんだ。もう、これ以上は、ダメだ。 反対の手を伸ばしてティッシュを数枚抜き取る。 その間も手は動くことを止めない。 「くうっっ」 …間に合った…シーツは!?…はぁ、良かった。汚れてはいないようだ… 慌てて拭き取ると、残骸を包んだティッシュを纏めてゴミ箱に突っ込んだ。 辺りにぶわりと雄の匂いが広がる。 はぁはぁと荒いでいた息を整えながら、窓を開けた。 外から少しひんやりとした爽やかな空気が入ってきた。 まだ早い時間なのか、街は人の動きもなく静まりかえっている。鳥の囀りが響いているだけ。 「俊樹。」 振り返るとニールがこっちに向かってくるのが見えた。 「どうした?」 「ん…何でもない。」 心臓が跳ねていた。 今俺がここでしていたことがバレたら、ニールは何て言うんだろう。 ところが、ニールはそれ以上俺に追求することもなく、黙って俺を布団で包むと、抱き上げてリビングへ連れて行った。 テーブルには焼き立てのパンやスクランブルエッグにサラダが、ワンプレートに乗せられていた。 「簡単だけどゴメンな。 今日は何もしないで、ゆったりと部屋で過ごしたい。 部屋で…というより、ベッドの上で。」 くすくすと笑うニールに釣られて、俺も笑いながらひと言だけ返した。 「仰せの通りに…」

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