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結ぶ(30)

そして…… ニールの宣言通りに、その日俺達は、ベットの主と成り果てた。 食べ物は十分冷蔵庫にあったし、俺が動こうとしてもニールに制されて準備すらさせてもらえず、全て作ってもらった。 挙げ句の果てには、子供のように手ずから食べさせられ、満足するニールとは真逆に恥ずかしい思いもした。 ニールは暇さえあれば俺にくっ付いて入れたがり、俺の尻の穴はもうガバガバになって再生不能になるかとさえ危惧して、おちおち横になってはいられなくて。 軽い喧嘩みたいな雰囲気にもなってしまった。 それでも、悪びれた風もないニールはそんなことは気にせずに、俺を甘やかして蕩けさせるのだ。 「俺達は俺達の愛し合い方があるんだ。 お前が本気で嫌なことなら絶対にしない。 けど、少しでも受け入れる気持ちがあるなら、俺を拒絶しないで…」 節目がちに泣きそうな声で言われたら『嫌だ』と言えなくなって… ニールのそんな態度に、俺も段々軟化していって、ニールがすることに対してもう何でも受け入れてしまう、そんな考えになってしまっていた。 冷静になってよくよく考えたら、ニールの思い通りに事が運んでいる。 俺ってチョロいんじゃないか!? 仕方ないじゃないか。俺はほぼほぼ恋愛経験がない。百戦錬磨のニールにかかれば、俺なんて… でもニールは 「俊樹には敵わないよ。」 と両手を挙げて笑いながら敗北宣言をする。 そういうことにしておこうか。 ヨメが尻に敷いているほうが家庭円満、上手くいくんだし。 「じゃあ、俺の言うことは何でも聞いてくれるんだろ?」 ニールは俺の手を恭しく捧げ持ち、手の甲にキスをして答える。 「勿論!俊樹の仰せのままに。」 その言葉ひとつで俺の小さなプライドは満たされて、結局とろとろに甘やかされて… 「俊樹、愛している。」 ニールの降るようなキスを受け止めて、またひとつに溶け合うのだ。

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