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「八嶋、顔赤くなってるのやばいよな、バレない?」 気づかなかった。一緒に飲んだ顔を見てみても全員が涼 しい顔をしている。たった一口しか飲んでいないというの に見ただけで酔っていると知られてしまう僕はどれだけ酒 に弱いのだろう。 「顔見せないように下向いとけばいいよ。そういえば俺マ スク持ってるからつければ?」 隣の席の三浦が渡してくれる。 「そうだね。そうしておく。ありがと。」 一時間目から運が悪い。担任の社会の授業だった。授業 が始まってすぐに当てられて黒板に書かなければいけなく なった。そうなればいくら後ろの席にいてもマスクをつけ ていても先生の近くで顔を見せることになる。 「八嶋大丈夫か?顔赤いぞ。ふらふらしてるし、保健室行 くか?」 「大丈夫です。」 まずい。ここで気づかれたら僕たちの悪事が明るみに出 てしまう。それだけは避けたい。それなのに、 「お前ら、八嶋保健室に連れてってくるからちょっと自習 な。」 「八嶋、熱測るだけでもいいから、行くぞ。大丈夫だった ら戻ってきてもいいから。」

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