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⑥
先生が保健室を出てから五分たった。
体の疼きを持て余した僕はアルコールでぼんやりとしながらも意識を手放すことはできない。
さらに五分、先生は戻ってこない。不自然なくらいに治らない高ぶりを、起き上がって見てみようとする。
心なしかさっきよりも強く主張しているように見える。とうとう我慢できなくなって、僕はベルトに手をかける。
少し我慢していたからか、すでに僕のものは先走りが流れ出てパンツはじっとりと濡れている。そのおかげで普段より滑らかに滑る指は非日常の空間であることと相まって強い快楽を与えてくる。
一度夢中になってしまうと廊下を誰かが歩いてくるだとか保健室に誰かが入ってくるかもしれないということは考える暇もない。
荒くなる息も隠せない。ここは学校なのに。今僕はこんなところで自慰行為をしている。こんなことを愉しいと思ってしまうのも普段の悪戯好きが嵩じてのことなのだろうか。
本能が勝って快楽を求めた末、僕が自分のものに触れる手は動きを増して行く、まるで自分の手じゃないみたいにもう僕の理性では止めることもできない。ベッドがぎし、と音を立てる。
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