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「今日は学校早退しようか。」 「着替え、いる?」 沈黙のあと先生がそう口を開いた。その頃にはずいぶん意識もはっきりして今までの痴態を省みるには十分な時間だった。 「服は、汚れてないんですけど、あの……。」 僕は白が散った布団と先走りの染み込んだパンツを見ながら言った。 「服は、ね。」 先生は僕が見ている方向を同じように見ながら目を細めていた。 「お母さんはおうちにいる?」 「うち、共働きなので、いないです。」 「そうなの。大変だね。じゃあケータイでお迎え呼ぶね。」 それは、困る。熱などないのにちょっとした悪戯で早退させられたのだと知られてしまう。 「歩いて帰れます。なので、大丈夫です。」 すると先生は何かに気づいたようで、意地の悪い笑みを浮かべながら、こう言った。 「じゃあ、先生が送ってあげるよ。」

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