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告白 5

 ぐにゃり  そこに足を踏み入れた瞬間、何か感覚が歪んだ気がした。  めまい?  わからない。    ふらつきそうになる身体を持ち直した。    なんやろ、アイツを見たらおかしなる身体の不具合と関係あるんやろか。  ドキドキしたり、苦しなったりするやつと。    僕は目を開けた。  何か、前とビミョーに景色か違うような・・・。  あれ、ここの地面に草とかとか生えてたっけ?  あれ?  奇妙な違和感。  でも校舎と倉庫の隙間なんは変わらない・・・。    僕はふと足元を見て悲鳴をあげた。  ゴロンと地面の上に並んでいたのは、子猫の頭やった。    蔦のような植物が覆うそこに。  頭だけ。  それが三つ並んでいた。  目を閉じた子猫はまるで眠っているようで・・・。  土の上に並べられた小さな三つの頭は、そんな凄惨さの中でも奇妙に可愛らしかった。  アイツ、アイツ・・・。  猫殺しやったんか。  よう、噂はあるし、この辺りでもそんな話は聴く。  最近、猫を殺して楽しむヤツがおると。  アイツ、アイツ・・・。     「しそうな感じはしとったけど・・・アイツ・・・猫殺し・・・」  僕は絶望的に呟いた。  なんか辛い。  アイツがこんなんしてたってなんか辛い。  なんで?  なんでこんなん・・・。  僕はヘナヘナと座り込んだ。   「誰が何をしそうな感じやねん」  耳触りの良い、でも皮肉たっぷりな声がした。  顔を上げた。  アイツが皮肉な笑みを口元に貼り付けて僕を見下ろしていた。  顔は相変わらず見えないが、アイツが僕を見ている。  あの日以来初めて僕をみている。  なんか、胸がまた、軋む。  身体不調や。  「お前・・・猫殺し・・・」  僕は呟いた。  「誰が猫殺しやねん。お前のオレに対する印象はようわかったわ。ありがとうな、ええように見てくれて」  アイツが嫌みたっぷりに言った。  え?  お前やないの?  でもそんな都合よく猫の頭なんて落ちてるか?  「じゃあ、これ・・・」  僕は猫の頭を指差した。  「指差しな。行儀悪い。・・・それ、死んでへんやろ」  アイツは言った。    はあ?  死んでない?  頭だけやぞ?  僕は猫の頭に目をやった。    眠ったように目を閉じている小さな頭。  コイツ・・・猫殺してないとしても・・・頭おかしなって・・。  「誰が狂ってんねん」  アイツ、なんでオレの心が読めんねん。  「にゃあ」  鳴いた。  へ?  僕は驚く。    「にゃあ」  土の上の小さな頭の一つが眠そうに目を閉じたまま、鳴いた。  確かに口を開けて鳴いた。  首だけなのに。

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