14 / 130

狭間 1

※残酷シーンがあります苦手な方はやめて下さい 大丈夫な方はどうぞ ↓ ↓ ↓ ↓  猫の鳴き声は響き続けた。    鳴き声は重要だ。  ゾクゾクさせてくれるから。  ソイツは前肢、後肢をそれぞれ纏めて縛った猫を土の上に置いた。  猫は必死でもがき回る。    ゴムボールのように弾んだけれど、逃げることは出来ない。  「なぁ、ナァ、ギヤア!!!」  猫は怒って膨れ上がって牙をむく。  だが所詮、縛られた猫。  さわぐだけだ。  ソイツはその様子を楽しむ。  たまらない。  ああ、楽しい。  鳴かなきゃ意味がない。  今日用意したのはコレだ。  ソイツは猫にたっぷりとそれをかけた。  独特の芳香。  揮発性の香り。  ガソリンの匂いがソイツは好きだ。  猫にこれからされることを教えてやれないのがつまらない。  分かったなら、鳴き叫びの声はこんなもんじゃすまなかっただろう。  ドキドキした。    いつもこの瞬間が一番ドキドキする。  苦痛を与える直前が。  死につながる苦痛を与えるその前が。  ソイツは震える指でマッチを擦った。  マッチが一瞬燃え上がる匂いがソイツは好きだった。     小さな炎が生まれた。  猫は鳴き叫んでいる。   鳴き声こ音量が上がった気がする。      分からないと思っていたが、猫でも何されるのか分かっているのかもしれないな。  ソイツは身体を震わせながら思う  イキそうだ。  たまらない。  身体に触れてないのに感じてしまう。  身体は心と繋がっているんだ、そう思う瞬間だ。  ただのセックスじゃここまでこれない。  最高のエクスタシーだ。    弾む猫はボールみたいだった。  火をつけた猫はどこまで跳ねるのだろうか。  ソイツの手からマッチか落ちる。    声がこぼれた。  期待に身体がふるえた。  小さな炎はその猫の身体に届くまえに、気化したガソリンを発火させた。  ボワッ  炎は猫を包んだ。  猫は炎のボールになった。  炎は跳ねた。  びっくりする位跳ねた。  猫は高く濁った声を何度も何度も発し、何度も何度も跳ねた  猫が跳ねる度、身体がふるえた。    何度も何度も震えた。  最高に気持ち良かった。    猫と一緒に叫んだ。  笑った。    たまらない。    圧倒的な全能感。  最高のエクスタシー。  つま先から脳天まで快楽が駆け抜ける。  猫が焼ける匂いが。  猫の苦痛をの声が。    何よりもその光景が  猫の最大限に見開かれた目は鮮やかな金色で  引き裂くようにあけられた口の内部は赤く、牙は白く  まとった炎は鮮やかなオレンジで  綺麗なしろかった毛皮は燃えて、黒い燃えカスに変化していく。  「グギナァギ!!」  猫は聞いたことのない鳴き声を上げた。    声がおかしくて笑った。    身体の中から溢れる快感に震えた。  性器にふれてないのに勃起していた。    射精していた。  たまんない。  たまんない。    その苦痛の鮮やかに酔いしれた。  縛っていた紐が焼け落ちていた、でももう猫はうごけなかった。  最後に宙をかくように脚が動くのを興味深くソイツはみていた。  まだ燻る猫をそのままにした。  公園を歩いて去る。  恐怖を残しておくこともこの快楽の大事なポイントだった。  誰かがコレを見る。  そして叫ぶ。  それを考えると、まだ性器が固くなった。  たまらない。  たまらない。  この遊びをやめることはできそうになかった。    

ともだちにシェアしよう!