24 / 130

契約 2

 「コイツに精液やらへんかったら・・・オレがコイツに喰われるんやぁ・・・」  アイツが泣いた。      それは・・・困る。  それだけは困る。  僕は困った。    コイツは僕のやのに、僕以外がコイツのん飲むんはむかつくけど・・・コイツが喰われるは嫌や。  あかん。  僕の頭は焼き切れそうや。    「後ろだけで出せや・・・」  僕はアイツに言った。   引き抜いてまた尻を上げさせ後ろから乱暴に突く。  前には触らない。    「ここだけでイったら・・・許したる」     僕は背後からアイツの両手を押さえつけた。  アイツが勝手に触ったりせぇへんように。  「ううっ・・・」  アイツが泣いた。  ここだけやったらまだ痛いだけやろう。  優しくはしてやってへんし。    でも、もうギリギリまで追い込まれた身体は出口を探していた。  乱暴に動かす。     アイツが喘ぐ。  痛みを快感に変換しようと身体がしてる。  ゴリゴリと擦る。  「くぁっ・・・あっ・・」  アイツの細い背中が反る。   身体は必死で痛みを快楽に書き換えていく。     ガツガツと腰を掴んで叩きつけた。  「ううっ・・・ああっ・・・はぁっ」  アイツが喘ぐ。 その声に甘さが混じってる。    「イってみ?・・・イけるやろ・・・」  僕は耳もとでささやく。  ガツガツ抉る。  「あっ・・・あっ・・あっ・・・」      アイツが僕のリズムに合わせて声を漏らし始める。  逃げるように動いていた腰が、誘うように揺れた。    可哀想に。    痛みに苦しむよりは、コレを快楽だとしようと身体が選択し始めたのだ。  酷くしかしてないのに。  でも、可愛い。  可愛いくて、憎たらしい。  僕以外に・・・飲ませてたんか。  髪を掴んで頭を床に押し付けて乱暴に突いた。    「うっ・・・ああっ・・・あかん・・・」  アイツが苦しさと、痛みに限りなく近い快楽に喘ぐ。    先からポタポタと垂らし、もう限界になってるのがわかる。  「・・・こんな酷されて・・・感じるんか。・・・とんでもない淫乱やんか、お前」  僕は冷たい声で耳を齧りながら言った。       「最悪・・・あんなんに飲ませる位や・・・誰ともするんやろ・・・キモイねん」  僕ははきすてた。  嫉妬だ。  白い巨体の生き物を憎々しげに眺める。  羽毛で覆われてはいるが、人の身体に似た上半身が見える。  舐めさせたのか。  裸でコイツの前で手に出して。  「最悪やでお前!!」  僕はもうただひたすらえぐった。  「あっ・・・ふぅ・・・ああっ・・・」  アイツが泣いていた。  喘ぎながら。  ボロボロ泣いていた。  それが、快楽や興奮によるものではないことはわかった。  僕の言葉が傷つけたんや。  でも、苛立ちを止められへん。    僕以外に。  僕だけやないと。  でも、飲ませなコイツ殺されるし。  「ほら、さっさとイけや!!」  僕は怒鳴って髪を引っ張りながら深くえぐった。  「・・・あっ・・・」  アイツの身体が震えた。  そこが放とうとしていた。    その瞬間、白い化け物の首がグニャリと伸びた。  穴のような顔もジェルのように柔らかく伸びてアイツのほとばしるそこを包み込んだ。  「・・・何しとんねん!!」  僕は怒鳴ったがもう間に合わない。    アイツの性器は白い羽毛のようなモノに包まれていた。  それは細く伸びた首で部屋の隅の化け物の身体に繋がっていた。  そしてアイツはその中に放っていた。  腰が淫らに動いていた。     僕以外がアイツのを・・・身体の中に・・・僕は怒りで眩暈がした。  が、アイツがイきながら僕のを絞りとるから、腰が淫らに揺れるから・・・僕もアイツの中に放ってしまった。  他のモンの中でイくアイツにイかされるて・・・。  歯噛みした。  しかも、化け物はアイツのをさらに扱いて絞りとるように動いてた。  絡みついた白い羽毛に覆われた変形した頭部は、アイツの股間でいやらしく脈動していた。     一滴残さず飲もうとするかのように。    「あっ・・・」  アイツが声をあげたのは僕の動きからではないことがわかった。  コイツ、出してるの扱かれて感じとる。  僕やないのに。  だが、僕もそれにあわせて蠢くアイツの穴に絞り取られて呻いてしまった。     嫌や。  他のんに感じるアイツで僕が感じるなんて!!  僕はアイツを投げ出すようにして畳に叩きつけた。    アイツはピクピクと震えていた。  長く寸止めされすぎたせいで、イった感覚が止まらなくなってるんや。   アイツの股間に張り付いた白いモノが蠢く。  アイツのモンをまだ吸っているのだと分かり、頭が怒りで真っ白になる。  「あっ・・・や・・・」    アイツは僕が触ってへんのに身体をふるわせている。  「はぁっ・・・やっ、もう出えへ・・・ん、あっ・・・吸わへんといてぇ」  アイツが身体を震わせながら泣く。  いやらしく小さな尻を揺らしていた。  「やだ・・・やだぁ」  アイツは身悶える。  エロい。    鼻血が出そうな位エロい。  自分が喘がせてる時はこっちも必死やから・・・ちゃんと見れてないから余計に・・・。  でも・・・コレは股間のコレが・・・。  そしてまだアイツのチンポに絡みついているそれを引き剥がそうとした。    しゅるっ  それは僕の手を逃れて、首とともに縮み、膝を抱えて座る化け物の頭部に戻った。  穴しかない顔に。  何やこいつ。  僕のに何してくれとんねん。  僕はその化け物に向かって思い切り拳を振り下ろした。    「アカン・・・ソイツを殴ればオレが傷付く・・・!!」  アイツの声が聞こえた。  僕の拳は畳にめり込んだ    「コイツ殴ったらお前痛いの?」  僕はこらえながら言った。  「うん・・・オレとソイツは繋がってる。コイツ傷ついたららオレも傷付く。契約やから」  アイツが言った。  僕は震えた。  コイツお前のチンポ吸ったのに殺したらあかんの?  鳥の鈎爪がある脚の膝を抱え、両腕代わりの翼にくるまる、真っ白な羽毛に包まれた、顔のない生き物。    僕は憎々しげにソイツを見下ろした。    それはちょっと身じろぎし、瞬間羽を広げた。  巨大な羽根が部屋を満たし・・・次の瞬間吸い込まれるようにアイツの影に化け物は消えてんいった。  満足したのだ。  アイツのん飲んだから。  僕は悔しさでふるえた。

ともだちにシェアしよう!