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悪意 10
「お前を家に泊めて飯喰わせてんのは・・・仕方ないからやねんぞ!!」
アイツに怒鳴られた。
僕はしくしく泣きながら土下座していた。
アイツは激怒していた。
気絶するまでヤっても、嫌がるのを押さえつけて穴舐めても、最近では「怖いから嫌や」言うてても目隠ししてやっても・・・激怒せぇへんアイツが激怒していた。
僕が・・・SNSにアイツとの写真を上げたからや。
ソレを飯喰ってる時にアイツに見せたらこうなった。
いや、エロいヤツちゃうで、アイツの家で一緒にご飯食べてるとこを、赤に僕のスマホで撮ってもらったヤツ。
仲良くご飯食べてる、家族っぽい写真で、写真撮っくれてるのが化け物やということ以外は何もヤバいもんはない。
白も黒も、それ以外にも住んでるらしいモノ達も映ってない。(室内は招き入れないと入れないらしいが庭や軒下や天井裏とかにはなんかおるらしい)
そら、勝手に写真あげた僕が悪い。
けど、みんな、彼女や彼氏の写真あげてるねんもん。
僕ジムメイトに恋人いる言うてるもん。
恋人の写真の一枚くらい・・・上げたいやん。
自慢したいやん。
恋人や言うのを勝手に言うてまわるんはあかんけど、一緒に飯喰ってる写真くらいええやん。
僕かて惚気てまわりたいのを我慢してんねんからいいやん。
でも僕は跪いて許しを請う。
「何でもするから許して下さい。おらして下さい。帰れなんて言わんといて・・・」
泣いてその足にすがりついた。
「みっともないんじゃ、ボケぇ!!」
アイツが真っ赤な顔で怒鳴った。
怖くて震える。
「ごめんなさい。ごめんなさい・・・」
僕は泣きながら謝った。
ひどい。
ひどい。
みっともないってひどい。
傷つくよ僕でも・・・。
僕はしくしく泣いた。
「僕は確かに・・・・・・そんなカッコエエわけやないけど、みっともないか・・・そんなに・・・」
一緒に写真に写るの嫌がるほど、一緒に歩くの嫌がるほど。
「はぁ?何言ってんねんおまえ?」
アイツが馬鹿にしたように言った。
ええ・・・そんなにあかんの・・・僕の外見・・・。
「みっともないのはオレやろが!!」
アイツが怒鳴った。
はい?
なんですと?
「お、オレなんかとおったら・・・・・・お前が笑われるんやぞ・・・オレはええ・・・オレは笑われてもいい。でもお前はあかん。お前は笑われたらあかん・・・オレいやや」
アイツは必死で訴えてくる。
なんてことや。
なんてことや。
僕の恋人は・・・自分のことを醜いと思い込んでいた。
だから僕と歩くのを拒否していた。
写真も嫌がった。
僕がコイツといると、僕が笑われると思ったから。
んなわけあるかい!!
「何言うてんねん。お前・・・」
僕はアイツを抱きしめた。
アイツは嫌がってもがいたけどそんなん関係あるかい。
「お前めちゃくちゃ可愛い。すっげえ可愛い。綺麗や、好きや、いつも言うてるやん!!」
僕は叫んだ。
何なの。
キスして。
泣かせて、苛めて、イかせて。
毎日毎日言うてるやん。
「お、お前は変わってるから・・・オレみたいなんでもセックスするのはええ思てくれてるのは分かってる。・・・おまえみたいな趣味の人間には・・・オレみたいな外見にもええて思える要素があるんやろ・・・でも一般的にはオレは・・・みっともないんや・・・ちゃんと、知ってる・・・」
アイツが泣きながら訴えてきた。
僕みたいな趣味ってなに?
僕のことどんな趣味やと思ってるの?
「こんなにガリガリやし・・・顔かて不気味や。・・・おまえが特殊な趣味なのに便乗して・・・オレとしてくれてんのは嬉しいねん。・・・ほんまや。でも・・・お前が笑われるのはオレ嫌や。お前はカッコエエねん。カッコエエままでおって。オレと一緒に笑われたりせんといて」
僕の恋人がまた何か言うてます。
でも・・・。
「ちょっと待って・・・僕カッコエエん?」
そこは聞いておきたい。
「そう言うてるやろがボケ!!耳ついとるんかい!!使えん耳なら斬ってまえ!!・・・お前やったらオレなんかやなくても・・・他に探せるん知ってる・・・」
恋人が腕の中で泣き崩れてます。
まてまて。
何言うてんのかわからへん。
でも僕がカッコエエのはわかった。
そこはニンマリしてまう。
「何笑てんねん、使わん頭がとうとういかれたんか、ボケ!!」
アイツか泣きながら怒鳴る。
誉められてんの貶されてんの?
悪口言われてんの?
わからんなってきた。
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