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狩り 5

 悲鳴は響き続けた。   だが、繁華街から少し離れた海辺の工場地帯にある倉庫の周辺にはこんな夜には人気がなく、工場で働く人々は自分達の作り出す音に気をとられ、誰もその声に気付かなかった。  真っ白な身体を赤く染め、ソイツに跨がりながら 繋がり、 腰を振りながら指を、耳を、鼻を、食いちぎっていく少年の姿を見るものは誰もいなかった。  それでも、ソイツのそこは硬度を失わず勃ちあがっていた。  食いちぎられる度に、吐き出すそこを少年は楽しんだ。  口にあふれる血の方が散々飲まされた精液よりも美味かった。  骨を楽々と噛み砕ける自分をおかしいとも思わなかった。  腕を肩の付け根から食いちぎった。      腰だけは淫らにゆれつづけた。  気持ち良かった。  最高だった。  血の匂いと味、そして悲鳴。  それらは甘く身体を焼いた。  屹立したままのそこよりもはるかに、血と悲鳴の方が芯から蕩けさせていく。    鼻も耳もない顔の目玉をくりぬいた時、流れる血を涙のようだと思った。  動かなくなるまで腰を降り続けた。  とうとう力無く萎えた時、残念そうに少年は引き抜いた。     両腕を千切られ、目をくりぬかれ、鼻や耳を噛み切られた哀れな死体だけかそこにあった  少年の穴からドロドロと精液か溢れてきた。   腹いっぱいに出されたのだ。  クスクスと少年は笑った。    楽しい。  楽しい。    もう、生きなくてもいいとはこういうことなのか。    生きるために息を殺すことももうない。  何だってできる  終わりになるまでは。  ああ、楽しい。   もっと遊ぼう。  もっともっと欲しい。  少年は決めた。    もう生きる気などない。    だから好きにする。  楽しむ。  血まみれの倉庫の中を見た。    山車は飛び散った血に汚れていた。  神様への生贄だ。  倉庫の隅にあるホースと水道で汚れた身体を洗いながら少年は笑っていた。  真冬に冷水なのに寒くなかった。  少年は笑った。  笑いながら、身体を洗い流していく。  その背中から、しわしわの生き物がはえていく。  「かやわりはさ」  「かやわりはさ」  それは訴えるように叫んだ。  その声は少年にだけは届くことはなかった

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