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狩り 12

 高架下の駐車場に連れ込んだのは、以前そこで自分が知らない男に咥えさせられたことがあるからだった。  自分やコイツのように、逆らうことができない生き物を、加虐者達はどうやってだか見つけることができる。  今の自分がそうであるように。  でも、殴りつけ、抵抗の意志を奪ってからは、むしろ優しくしてやることにした。    「言うこと聞いたら・・・優しくしたる、なぁ?」  優しく囁くとソイツは震えながら頷いた。  慣れている。  こうされるのも初めてじゃない。  じゃあされたことのないことをしてやろう。  少年は優しく唇を吸った。  淫らさのない、優しいキスを。  ソイツの身体が震えた。  やはり、こんなことされたことがないんや。  少年は納得する。    自分だってされたことがない。  面白半分の優しいキスは、してみた少年でさえ夢中になった。  こういうのもいい。  震える唇を舐めた。  怯えてはいる目に何か違う光が見えた。  面白いと思った。  「優しいしたるから、大人しいしとき」    少年はささやき少年のジーンズのボタンに手をかけた。    ソイツは抵抗しなかった。  挿れられるのは楽しかった。  でも、今度は挿れる方がしてみたかった。  コレに挿れてみよう。  そう思っていた。     ズボンを脱がせても、ソイツは黙ってされるがままになっていた。    冷たい外気にさらされて、縮こまっているそこを咥えてやった。  少年と同じで、させられることはあっても、されたことはなかったのだろう。  少年はすぐに声をあげて放った。  「早いやん」  少年は笑った。  口に出されたモノを手の平にとり、穴を解す。    やはり。  少年は納得する。  慣れている。  指は苦労せずに入ったし、かき混ぜたなら、身体をふるわせた。  ちゃんと開発済みだ。  誰かに毎日のようにされているのだろう。  自分の父親か、兄か、それとも義理の父親か。   よくある話だ。  街にいる子には自宅こそ危険な場所な子もいる。  自分でする時に好きな感じに指を使ってやった。  入り口付近をなでるように動かし、その凝りを擦るのが、少年は好きでそんな風にしてやった。  ソイツは思わず喘いだ。  「ふうっ、・・・はぁっ」  そんな自分が嫌なのか顔を隠す。    指を入れたまま抱き寄せ、囁く。    「コレ、気持ちええやろ、ええで・・・気持ちようなり」  優しい恋人のように囁く。  指がそこを掠める感覚よりも、優しく囁かれる声にソイツが震えるのを確認する。  面白い。   そう思った。  優しく頬や額にキスを落とす。  指は優しく動かす。  今までろくに慣らしもされてこなかったのだろうソイツの身体が、優しい愛撫に蕩けていくのを感じる。  唇を塞げば震える唇が開いた。  舌を入れてみた。  ソイツは自分から絡ませてきた。  優しく舌を吸ってやった。  殺したヤツと初めてしたキスは、肉と肉との接合以外の何物でもなく、それはそれて面白かったが、これはこれで面白い。    指でかき混ぜ、優しいキスを何度となく繰り返した。  それだけで、腕の中の身体が熱く柔らかくなっていくのがとても興味深かった。    普段はどんな醜いオッサンに乱暴に組み敷かれているのか。  そう思うと興奮した。  どんなに汚らしい行為を強要されているのか。  そう考えると自分のモノが堅くなる。  それを考えながら優しく優しく触っていく。  じっくり解した。  別に切れようと痛かろうとどうでも良かったが、コッチも挿れるのは初めてなのだ。  スムーズな方がいい。  慣れてたヤツなのはラッキーだった。  優しくしてやるだけでこんなになるのは意外だった。   自分から舌を絡ませて吸ってくる。  必死さと、教え込まれた淫らさが良かった。    ちょっと優しくされただけで、こんなに容易く身体が蕩けていく。  その哀れさに笑えた。  どれだけ、優しくされることに飢えているのか、どれだけ酷くされることに慣れているのか。  「いつもはどうやってされてるん?後ろからつっこまれるん?」  優しく聞く。  誰にどんな風に酷くされてるのか、興味があった。  ソイツの身体が強ばる。  その行為が嫌で街へ逃げているのだ。  でも結局は帰らざるをえない。  まだ一人では生きられないから。  そしてサれるのだ。  答えはなかったが、ひっくり返した。  多分こうだろう、という答えは想像できた。      

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