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狩り21

 「コイツよりええで?・・・どうせ泣いてイヤイヤ言うてるだけなんちゃうん?俺やったら、あんたを泣かせたるよ。もうええっ許してって言う位までたのしませたる」  猫殺しは赤い舌をのぞかせ、その唇を自分でなめて潤した。  赤い口の中は性器のようにやらしかった。  「・・・ふざけんな」   アイツが怒りに震えながら言う。  僕はじっくり猫殺しをみつめた。  ヤらしい。  確かにヤらしい。  「上乗って後ろの穴であんたの咥えこんで、たっぷり動いたろ、いくらでも絞りとったろ。どうせ、そいつほとんどマグロやろ。俺があんたの身体とことん気持ちええようにしたる」  猫殺しは囁いてくる。  興味はあるので聞いてしまう。  「俺にやったら・・・何してもええんやで?ソイツには気をつかって出来へんようなことも」  これはこれは・・・ヤバい。  アイツにしたいけど遠慮していることは一杯あったからや。  僕は我慢強いから、沢山我慢してる。  アイツに嫌がられて逃げられたら元の子もあらへんからな。  僕は我慢してんねん。  いっぱいしてんねん。  ちょっとアイツにしたいけど我慢していることを考えたら鼻血が出た。  「お前何鼻血だしとんねん!!」  アイツがキレてる。     いや、でも、ああしてこうして、こうするなんて・・・考えるだけで死にそうや。    あんなこんなもしてもええん?  「何勃起させとんねん!!」   アイツに指摘される。  いや、僕の前おっきくなっちゃって。  いや、もう。  エロくて。エロくて。  仕方ないやん。  「しよ」  猫殺しが妖しく笑った。    アイツが僕の隣りで震えてる。  僕を見つめる目も震えてる。    「・・・」  アイツは何も言わない。  ただ震えてる。  僕は腹が立った。  お前、なんで・・・「嫌や、止めて」って言わんの?  ええのん?  僕が猫殺しとセックスしても。  何それ。  腹立つわ。     猫殺しの白い腕が伸ばされ僕の頬を撫でた。  僕はされるにまかせた。  僕に対する攻撃ではないことがわかったからだ。  撫でる指は意外に心地よかった。  肌はもう熱く、僕の熱を求めてた。  怖いくらいの執着を感じもしたけれど。  頬を鼻筋を唇を撫でていく。  僕より少し低い猫殺しを見下ろす。  猫殺しは目を細め僕を見上げた。  僕の後ろでアイツは僕と猫殺しを凝視していた。  僕はアイツへちらりと目をやった。  「嫌」とかなんかそういう言葉やリアクションが欲しくて。  なんか言うて。  でも、アイツはメガネの下で目を見開き震えてるだけやった。  なんや、それ。  お前。  僕は赤や黒にも嫉妬すんのに・・・ていうてもアイツら文字通りアイツを狙ってるけどな、食事的な意味やけど。  なんなんそれ。  猫殺しもアイツを見た。  ちょっとでも、アイツに対して酷いこと言うたら許さん思たけど、猫殺しはアイツに関心がなさそうだった。  すぐに僕を見つめた。  「あんたが欲しい」  猫殺しは囁く。  欲しがってるのはよう分かった。  触れる肌の熱さ、その視線の執拗さ。  その指は性器やった。  そう囁く唇も。  眼差しも。  吐息も。  全てがセックスやった。  欲望しかなかった。  コイツを抱いたら、全ての欲望は叶うのはわかった。  僕は何度もアイツを後ろから犯しながら思ってた。  その肩に歯を当て食いちぎりたいと。  そんなん実際は出来へん。  大事なアイツや。   せいぜい首筋を噛む位や。  窒息する位、喉に押し込んで、死ぬまで流しこみたいとも思ってまう。   するわけあらへん。  可愛いアイツや。  ちょっと苦しくしてまうだけや。  深く深く犯して、裂けるまで動きたい。  壊してしまいたい。  引き裂きたい。  貪りたい。  そんな欲望が僕にはある。  そんなん、アイツには出来へん。  優しくしたい。  好きや。  可愛い。  大事にしたい。  でも、コイツやったら全く気にせんでもええんや。    

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