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狩り23

 僕に胸倉を掴まれ、アイツは怯えた目をした。  構うかい。  僕は強引に口付けた。  無理やりアイツの舌を引きずり出して吸う。  口の中を貪る。  乱暴に一切の優しさなんかなく、口の中を舌で犯した。     苦しげに暴れても、胸を叩かれても止めてやらん。  「こんなんしてる場合やない・・・」  アイツが喘いだ。  「知るかい!!」  僕は怒鳴った。  もう犯してやりたい。  酷い。    お前、酷い。  怯えたように縮こまる舌に興奮した。  怖がって固くなる身体がたまらんかった。    「何で嫌や言わへんの!!あんなヤツと僕がセックスしてもええん?」  僕は怒鳴った。  足を子供のように踏み鳴らした。  納得いかへんかった。  こんなんあかんやん。  何で、コイツを僕が他のヤツとセックスしそうになっても騙したみてんの。  許せへん。  「嫌って言うてや!!」  僕は叫んだ。  アイツは困ったような顔をした。    「オ、オレにそんな権利・・・あらへん・・・」  消え入るような声で言われて逆上した。  「お前に権利なかったら誰にあんねん!!」  もはや悲鳴やった。  何ソレ  何ソレ。  コイツ何言うてんの!!  「オレとするより・・・あっちの方がええんやろし・・・オレ・・・恐なって逃げようとかしてまうし・・・ひびって泣いてまうし・・・」  アイツが口ごもる。  「アホやろアホやろアホやろ!!」  僕は怒鳴った。     アホやコイツ。    ホンマもんのアホや。  「僕はお前がええの!!」  僕の言葉の悲痛さを何でコイツは分からんか。  「びびりまくって逃げようとするんを押さえつけて、いいって言うまでヤるのがええの!!気持ちよすぎて怖がって泣くのを、もっと気持ち良くして泣かせんのがいいの!!痛くてないてても、それが最終的に気持ちええなってよけいに怖がるんがええの!!・・・ひびりまくって、セックスに臆病なのに、めっちくちゃ快楽に弱いんがええの!!」    言いながらコレって僕が酷いヤツみたいじゃない?  とか思った。     サディストみたいやん。     「いや、そういうんやなくて、いや、そういうんもあるけど、お前がええの。お前やないと僕はもう勃たんのや!!」  僕は怒鳴った。  「さっき勃起しとったやん!!」  アイツが言い返す。  「お前にしたいけど出来へんこと考えてただけや!!僕、色々試してみたけど、最近全然、お前以外ではイけんのや!!」  コレはホント。    巨乳のお姉ちゃんのエロ動画でもヌケへんかった。     いや、浮気やない。  浮気やなくて・・・アイツと会えへん日にな、アイツとの愛を確かめたくてしてみただけや、うん。  実際、抜いたんはアイツのエロ画像や。  アイツは意識飛ばしてて撮られてんの知らんヤツ。  それは全然ヌケた。  「お前でしか勃たんなっとるんや!!お前だけとしか出来へんの!!責任とれや!!」  僕は怒鳴った。  「・・・無理や」  何故かアイツが真っ青になって言った。    ちょい待て。  そこは泣いて喜ぶところちゃうん?  お前以外とはせん言うてんねんぞ。  なんでやねん!!  「・・・無理や。お前の性欲全部受け止めてたら、オレ死んでまう」  真っ青になってるアイツは真剣な声で言った。  恐怖にふるえてた。  ああ。  そうやね。  殺しかけたこともあるもんね。  そうやけどそうやけど。  「だから手加減してるやん!!僕がしたいこと全部したらお前死ぬし!!」  僕は怒鳴る。  なんで分からんの!!  死んだら嫌やから手加減してるし、お前しか欲しないし。  たまにはお前が好きな風に優しく抱いてるやん。  なんでわからんの。  こんなに好きなのが!!  僕は地団駄を踏む。  踏みまくる。  なんで、わから、へんの!!  「うぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」  肩を肉に指が食い込むまでにぎり締めて、僕はもう言葉ではないものを叫ぶ。    腹立つ腹立つ腹立つわぁ!!!!  好きやのに!!  ええ加減にせぇよ!!  アイツは怯えていた。  本当に怯えていた。  僕に怯えていた。  それがさらにムカついた。  ムキィイ!!!  「お前・・・」  アイツが何か言いかけて、目を見開く。  僕はアイツを突き飛ばしながら転がった。  分かってんねん。  こんなんしてる場合やないってことは。   でも腹立ったからしゃあないやん。  猫殺しの拳が僕とアイツが立っていた場所にめり込んだ。  猫殺し回復しちゃったねぇ。    追撃が来る。身体を転がらせて交わす。    グガッ  アスファルトにまた猫殺しの拳がめりこんだ。    アスファルトに拳がめり込むってや・・・。  どんなんやねん。    だけど、めりこんだ分だけ反応が遅れた。    僕は腹筋を使って一瞬で立ち上がる。  もたもた起き上がろうとしているアイツに怒鳴る。  「逃げろ!!お前のことまで手ぇまわらん。足手まといや!!」  厳しく言うてもうて、傷つけてしまったらどうしようとか思うけど、こうでもいわんと・・・コイツ離れてくれへん。  「そんな・・・」  アイツは離れへん。  そうやろ。  でも、離れて。  お前を庇いながら戦われへん。  「大丈夫や、そっちのメガネにはすぐ手ぇ出さへんよ」  おっとりした声で猫殺しは言った。  「あんたの手足を折って動けんようにしてから、そっちのメガネをあんたの目の前で犯す。それからあんたを犯す。いや、俺がそっちのメガネ犯してたらソレ見てあんた勃つんちゃう?勃ったあんたのもん嵌めて楽しんでもええな。それからあんたの目の前でメガネを殺して、あんたを殺す。これが一番ええな」    猫殺しは良いことを思いついたみたいなことを言った。  何やて。  僕の目の前でアイツを犯したら、僕のが勃つやろってか?  猫殺しにアイツが突っ込まれてんのみて、僕が勃つってか?  そんなのそんなのそんなの!!  「何で前屈みになっとんねん!!」  アイツが目ざとく叫ぶ。  勃っちゃった。  想像だけで。  嫌、絶対嫌やで。  人にさせる位やったらお前殺すわ。  でも、アイツが泣き叫ぶ姿を思ったら、想像だけで勃っちゃうねん。  嫌やって叫びながら泣いてんねんで。  たまらんわ。  僕以外がしたらソイツ殺すけど、でも考えたら、泣いてるお前最高やねんもん。  「しゃあないやん。僕、お前の泣き顔大好きやねんもん」  僕は堂々と言い放つ。  猫殺しが笑う。  「俺もあんたが泣き叫ぶとこみたいわ。ソイツ犯しながら殺したら、あんた勃起させながら泣くやろ。それを嵌めたるわ。大丈夫やで、勃たんなったら、俺があんたを犯したるから」    めちゃくちゃキショイこと言うてる。  嫌やコイツ変態や。        

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