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Ⅴ 《おまけ+》よもやよもやの七不思議

真川さんの体温はあたたかくて。 温もりの中で仄かに香るのは、真川さんのフレグランスだ。 雪のように解けてしまいそうな香りがして、無意識に香りを追ってしまう。 あなたの胸に、顔をうずめてしまう…… (あったかい) ずっと、こうしていたいな…… あったかくて、ふわふわして、時々髪を撫でてくれるのはなんだろう。 くすぐったい。 …………!! (ん?なにか聞こえたような) くすぐったいなにかが俺の髪にまた触れた。 啄まれるみたいに…… また啄まれた!今度は前よりもはっきりと。 なにかが俺の髪に触れた。 …………!! ここには俺と真川さんしかいない。 俺は真川さんの腕に抱かれているから、真川さんの手は俺の髪に触れられない。 そして、第三者が俺に触れる事もできない。 だが、確かに。誰かが俺の髪に触れているんだ。 不意に、突然、どうやって?? この怪奇現象は……… (よもや、よもや) テレビ局七不思議の一つ!! 「ギャ」 また触れられた。 助けて。 「真川さん!」 「…………ハフン!」 …………………………え。 (よもや、よもや~~~) 「私の腕の中に君がいる……」 ハァハァハァハァ ハフン、ハフン、ハフン (真川さんが……) αの本能で興奮している。 俺の髪をしきりに啄んでいたのは、興奮した真川さんの…… 鼻息★ 「ムギャアアアァァァァー!!」 「感極まったか。いい声で鳴く♪」 「ちゃうわ♠」

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