51 / 217

Ⅴ 《おまけ+》淋しい熱帯夜【THE FINAL②】

「ん?」 「うん」 見上げると微笑む葛城さんに目と目が合う。 気のせいじゃない。 気のせいで片付けられない。 「葛城さんッ!!」 「はい」 相変わらず返事だけはいいな、このα 「当たってる」 「当たってるんじゃない。当ててるんだ」 余計にたちが悪いわァァァーッ!! 葛城さんの……のっ、そのっ (お股) こんもりしているのは、気のせいじゃない。 気のせいじゃ片付けられない。 「フェロモンウィンクが通じない君のようなΩに出逢ったのは初めてでね。αの本能が喜んでいる。君に、ぼっ」 「言うなァッ」 「勃起するよ」 言ったァァァァ~ それは、王子様の口にする言葉ではない。 「勃起」 「二回言わなくていい♠」 怒ってはいけない……怒っては…… (葛城さんは悪くない) これはαの習性なのだ。 αは己が性器に完全無比の自信を持っている。 性器が大きくなるのはαの誇りだ。 葛城さんは歓喜を共に分かち合いたい……そう思っているだけ…… αの習性だから仕方がない。 諦めろ、俺。 硬度を持って膨張したソレを押し当てられても、これはαの習性なんだ。 葛城さんに罪はない。 (葛城さんは王子) (葛城さんは王子) (葛城さんは王子) 言い聞かせるんだ、俺。 「勃起とは陰茎に……」 「解説せんでいいッ!」 プシュウゥゥゥー 「頭から湯気出して寝てろォォォッ!」 葛城さんの脳天をかち割ってしまったァァッ! どうしよう。 ドすけべアヴァンギャルド王子αの習性に、Ωとしての俺の本能が発動してしまった。 葛城さん……無事じゃないな。 生きているかな。 「……葛城さん?」 「はい」 いい返事だ。 「ごめんなさいっ、俺っ」 「大丈夫だよ、心配しなくていい」 葛城さんが生きている。 良かった。 「これしきで、私の股ぐらのアヴァンギャルドJr.が萎える事はない」 キラリン★ ウィンクするな! ふんぞりかえるな! アヴァンギャルド王子αも、アヴァンギャルドJr.も! 「心配しとるのはそこちゃうわァァァーッ!!」 プシュウゥゥゥー!! 「永遠に眠れェェェーッ!!」 さらば、エロエロアヴァンギャルド王子α 《おしまい♪》 本編はまだまだつづくよ

ともだちにシェアしよう!