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Ⅹ《おまけ+》大切なものは手離しちゃいけない
「あれ?私、なにか踏んでますか?」
踏んでます。思いっきり、司会の人。
勧修寺先生、楽しそうだ。
「助けた方がいいでしょうか、真川さん」
「放っておけ。勧修寺先生がああなると、飽きるまで止まらない」
「ですが〜〜」
ぐへ。ぐへ。ぐへ。
踏まれる度に司会の人が「ぐへ」を連呼している。
「ほら。子どものサンダルと同じだから」
「ああー、歩くとキュッキュッ鳴るやつ」
「そう、それだ」
先生が踏むと、司会の人が「ぐへ」と言う。サンダルみたいで、勧修寺先生、面白いんだ。
「納得しました」
「では、あたたかく見守ってやってくれ」
「はい」
ぐへ、ぐへ、ぐへ。
……やっぱりサンダルの方が可愛いな。
「それにしても良かったな」
「なにがですか」
「勧修寺先生、コードを避けるために後ろに跳んだろ」
「はい」
「あの時、ドジっ子が発動していたら大変な事になってたぞ」
「……と言うと?」
「ドジっ子発動で股間に着地していたら……」
ヒィィィィ〜〜
想像しただけで血の気が引く。
言うまでもなく!ソコは雄の急所だ。
喜劇を通り越した悲劇の境地である。
「『ぐへ』どころじゃ済みませんね」
「ああ。『ぐへ』で済んでるから可愛い」
司会の人にはもう少し、お子様のサンダルになっていてもらおう。
「あんなところを踏まれた日には、どんな悲鳴が出るものか……」
「それ、いいですね」
………………へ。
「真川さん、返事しました?」
ブンブンブン
首を振って全否定。
じゃあ、さっきの声って〜〜〜
「金玉踏むと、どんな声が出るのかな?」
やめてー!!
勧修寺先生、興味を持たないでー!!
ソコは、雄が雄たる威厳を保つ誇り高き場所だからー!!
「勧修寺先生、それだけはやめてあげてください」
「おや、そんな事を言って……」
では君は……
「彼の金玉に振り下ろす足を、君の金玉で受け止める覚悟がありますか」
ギャアァァァァー♠
なんで俺に飛び火するんだァァーッ
絶対、嫌ァァァー!!
……ふわり
不意に背後から、大きな手が俺を包んた。
「大切なものは手離しちゃいけないんだ」
真川さん……
「優斗の金玉は俺が守る」
むぎゅん♥
「ヒャア!!」
あ・な・た・と・い・う・人・は・ァ・ァ・ァ〜〜〜
「どさくさに紛れてどこ触ってるんだァッ!!」
「可愛い種なし玉袋」
「言うなァーッ!!」
プシュウーッ!!
殴った俺は悪くない。
頭から湯気出して倒れてろ。
エロエロむっつりスケベジャーナリスト♠
……Ωは皆、種なしなんだ。ぐすん……
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