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Ⅹ《おまけ+》【中編】oYo
ジィッ
なぜ、この人は勝手にジッパー下ろすんだ。
(ここ、俺のプライベートゾーンです)
ジィッ
下げられたジッパーを上げた。
ジィッ
またジッパーを下ろされる。
ジィッ
ジッパーを上げる。
不毛だ。不毛過ぎる。
「真川さん」 /「優斗」
「やめてください」 /「オナニーするんだろ」
………………え。
(今、ものすごく不穏な声が重なった気がするのだが〜)
「服の上からでもできるが汚れるぞ」
やはり不穏且つ不謹慎な邪念が重なっている。
「しません!」
「我慢はよくない」
「我慢もしてません!」
「しないと夢精するぞ」
「起きてます」
「起きた時の処理が大変だぞ」
「だから起きてます」
「した方がいい。脱がすぞ」
この人、話を聞く気がない。
「君は今、発情期なんだからヌいて楽になった方がいい」
「ちょっ」
真川さん!スラックスのベルト!
「オナニーは恥ずかしくない。雄なら誰でもする事だ」
「恥ずかしいです」
そういう問題じゃないから。人前でしちゃいけない事だから。
「真川さん、待って!」
カチャカチャ
カチャカチャ
「動くな。煽るのもいいが、上手く外せないだろう」
煽ってなんかない!
本気で抵抗してるんだ。
しかし如何せん、この体格差だ。軽く腕の中に封じ込まれてしまう。
(ダメだ、ダメ)
諦めたら本当に脱がされてしまう。
(この人、スラックスごと下着下ろす気だ)
ベルトは絶対防衛ライン。
死守せねば!
……ってェェ~★
「ベルト、取られてるっ」
この人、速すぎる。
慣れすぎてる。
「こら、手を離しなさい」
「離したら丸見えになります」
嫌だ。すっぽんぽん。
「手入れ、してないのが恥ずかしいのか?」
「ちゃんと毎日、お風呂入ってます!」
「そうじゃない」
「洗ってますよ!失礼な」
「だから、そうじゃないんだ」
「ボディソープ使ってます。これ以上の手入れはないでしょう」
「そうじゃなくって!」
「わわわっ」
強引な手がスラックスごと下着を下ろそうとする。
なんとか踏ん張る。俺の手、がんばれ!スラックスから離れるな。
抵抗をやめたら、最後の牙城が陥落する。
「陰毛」
………………
………………
………………
は?
思わず抵抗をやめてしまった手を真川さんの大きな手が包んだ。
「ぼーぼーか」
………………さながわ、さん?
「手入れしていない原野の茂みは、ぼーぼーなのか?」
「あ……の……」
宵闇の柔らかな眼差しは、俺に落ちた。
「気にしないぞ」
衣服越し、俺の中の秘されたプライベートゾーンを、宵闇の双眼は静かに見つめている。
「君はまだ若い」
低音ボイスが耳朶をくすぐる。
「経験のないΩにはよくある事だ」
熱い息が襞を這った。
「見せなさい。君の……」
ぼーぼー陰部
「キャアアァァアアアーーー♠️♠️♠️!!」
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