167 / 217
ⅩⅠ《おまけ+》換気、大事、絶対!【前編】
「手コキとはパートナーの性器を手でしごいて、気持ち良くする行為だ」
「聞いてません!」
「知っていたのか」
「しっ……」
言えない。
「知っていたな、よし」
勝手に決めつけられた〜ッ★
「知りません!」
うんうん、と頷くばかりで真川さんが取り合ってくれない。
「というわけなので先生、優斗を解放してくれますね?」
「なるほど」
ふっと、薄い唇から細い息を吐いた。
「明里君の意思を尊重しろと」
「えぇ、そうです」
ちょっと待って。
そこに俺の意思は存在しない。
(手コキしないからっ)
「であるならば……」
夜の闇色の目に浮かんだ微かな笑み。
「私からも素晴らしい提案をしよう」
勧修寺先生が助け船を出してくれる。
(さすが先生)
頼れるのはやっぱり勧修寺先生だ。
けれど……
ゾクリ、と。
背筋に鳥肌が立ったのはなぜだろう。
「明里君の右手と左手。手は二本あります。ならば、それぞれ右手と左手で私達を手コキして頂きましょう」
「エエエッ!」
すぅっと俺に視線が闇色の流れた。
「君の意思を尊重した、とても素晴らしい案です」
「どこがァァッ!」
ともだちにシェアしよう!