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ⅩⅠ意地悪な鼓動が鳴り止まない17
意識が遠ざかる。
(俺じゃない)
違う何かが覆い被さってくる。何かに飲まれていく。
ハァハァハァハァ
理性が薄れていく。
ハァハァハァハァ
理性がなくなって……
(消えてしま……)
ハァハァハァハァ
「脈拍は正常です」
人差し指と中指が手首に触れている。
「発情期の症状で間違いありません」
勧修寺先生の声……
「ぁう」
身をよじって……でも、勧修寺先生から逃れようとしてるんじゃない。
寧ろ、先生と向き合おうとして。
脚、開いて……
(俺、なにしてるんだ)
自分の行動が分からない。体だけが勝手に動く。
……勧修寺先生もαだから、きっとデカイ。
「おっきいの、好き」
欲しくてしょうがない。先生のに触りたい。
「雄なら、誰でもよくなってますね」
こくこく、と頷いた。
言葉の意味も理解できないまま。けれど、こうすれば欲しいものが与えられる。
(俺の欲しいもの……)
挿れてもらえる。
ヒクヒクして待っている。
割れ目のヒクつく欲しがりの穴に、こすりつけて、ねじ込んでほしい。
「今すぐ、私のモノを挿入して差し上げても構いませんが。それでは、あなた方が納得しないでしょう」
「当然だ」
「悪ふざけでは済みませんよ」
「フフ」
男は小さく鼻で笑う。
なぜ、こんなに無力で非力な一人のΩに名前のある男が。
地位も財産もある男が、執着するのか分からない。
…………が、面白い。
「二人をまとめて敵にまわすほど、私も無謀ではありません。幸いにも、ここはホテルです。部屋の手配をしましょう。後は……」
どうぞ。
「ご随意に」
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