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ⅩⅡ思い出せないけれど、好き⑤
「目を背けないで」
「そう……俺を見ろ」
「私も見てください。潤んだ目、そそりますよ」
拒んでるんじゃない。
これから訪れるだろう快楽の波に身震いしただけ。
Ωで、発情期で、雄が欲しくてたまらないのに。
後ろの雄穴も、前の雄棒もビュクビュクして期待してるのに。体が震えてしまう。
相手がαだから?
二人もいるから?
快楽の波に発情期の俺が耐えられないと、本能が伝えているから?
(たぶん、そう)
でも、それでも。期待している。
ドキドキ心臓を鳴らして、ビュクンビュクン、前と後ろから蜜を垂らして、快楽が欲しくて、体が危うい期待を求めている。
「優斗」
「明里君、最初の質問です」
菫の瞳と、仮面の下の淡い蜂蜜色の瞳が俺を見つめる。
「私達の二人のどちらのキスが欲しいですか」
「二人ぃ〜。菫の雄の人も、仮面の雄の人も両方ほしい」
「優斗は我儘だな」
「その我儘すらも愛おしい」
チュッ
チュウーッ
胸をはだけられて、シャツのボタンが飛んだ。
「俺は右胸」
「私は左胸を頂きます」
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