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ⅩⅡ思い出せないけれど、好き⑧
「どっちがいい?優斗」
ピチャピチャ、チュッチュ
「右だろ」
「左ですよね」
チュウゥゥゥー
「うひぃぃぃー」
両胸の実を同時に吸われて、悲鳴を上げた。
「今の声、良かったですよ。獣みたいだ」
「アフ」
「ご褒美に撫でてあげましょう」
左胸を唇で弄りながら、右手がさわさわと差し込まれた。
「なでなで」
「そこ〜」
「おい、抜け駆けか」
「ちゃんと宣言しましたよ。明里君を撫でるって」
仮面の雄の人の手が俺を撫でてくる。でもっ。
「ア……アフゥ」
「ほら、明里君も喜んでいる。もっと撫でてあげましょうね。なでなで、なでなで」
「アフアフ」
「おや?私の手がベトベトです。なぜでしょう?」
だって、そこ。
仮面の雄の人が撫でてくれる、その場所は……
「いん……」
「なに?聞こえませんよ」
「い……んも……」
「もっと大きな声で、はっきりと」
「いんもぅ」
「はい。私が撫でているのは君のアソコの毛。陰毛です」
「いんもー」
「そう、陰毛。君の陰毛はフサフサですね」
「ハフハフ」
こくこくと首を振った。
「はい。私好みのボーボー感です」
それで……
「私の手はどうして、こんなにも濡れてしまったんでしょう」
ねぇ?
「この右手を濡らしたコレはなんですか?」
仮面の向こう側の瞳に見つめられ、心臓が穿つ音、どんどん早くなる。
ドキドキ、ドキドキ、ドキンドキン
「ねぇ、私に教えてください」
私の手を濡らしたのは……
「明里君の何ですか?」
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