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ⅩⅡ思い出せないけれど、好き⑨
濡れた右手の人差し指を、赤い舌がペロリと舐めた。
「どうしましたか?足、もじもじして」
「だってぇ〜」
仮面の下の秀麗な顔が覗き込む。
「脚の間に何かあるのかな」
「ない〜……アフフぅ」
「君は嘘つきですね。熱く反り返ったものがありますよ。硬いですね。……おや、ここには垂れ下がった柔らかい袋がある。なにかな?」
「ウフー!そこっ」
「ここ。垂れ下がってるこれですね。コリコリしますね」
「アヒィ」
くすぐったくて、もどかしくて、気持ちいい。
でも、もっと気持ちいいところがある。
そっちを触ってほしいのに、全然こすってくれない。
「コリコリ、コリコリ」
「ヒンフ」
気持ちいいけど、そこじゃない。
「アフフ、アフ」
そこじゃなくって、勃ってる棒こすって。
伝えたいのに、息が上手くできない。言葉が紡げない。
仮面の下の蜂蜜色の瞳が、優しく見つめ返すばかりだ。
「どうしましたか?腰、そんなにくねらしたらコリコリが上手くできませんよ」
「やぁんっ」
「優斗、おとなしくしないとダメだろう」
後ろから、大きな手が髪を撫でた。
「いい子だ。俺の上に乗って」
(菫の雄の人……)
膝の上に抱っこされて、後ろから覆い被さる。
……チュッ
濡れた唇が首筋を伝った。
髪がサラサラ、鎖骨に触れてくすぐったい。
「菫の雄の人……」
「なんだ?」
「触って」
「もう触ってるよ」
大きな手がお腹を撫でた。
「優斗の子宮、どこ?」
指が腹をつぅっと這う。
「俺が中から撫でてやってもいい」
(それって★)
きゅんっとアソコがヒクついた。
「お利口な優斗には、この意味分かるな?」
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