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ⅩⅡ思い出せないけれど、好き10
「その顔、妬けますね……」
不意に蜂蜜色の瞳が近づいてきて、瞳の中に飲み込まれた。
「潤んだ目ですね。私以外の雄に触られたいんですか。中も、外も」
唇に吐息が触れた。
「書き換えたくなります」
甘く甘く、舌が絡みつく。角度を変えて、何度も何度も。
息を奪う。
甘美な毒を植え込む、獰猛なキス。
抗う術はなくて。
「明里君」
「フゥフゥ、アフー」
「大事なもの、私の股にこすりつけて……また大きくなった♪明里のと私のと、どっちが大きいですか」
「ワフゥ〜」
「比べるまでもないですね。君が頑張っても無駄な努力です。でも、大きくして下さるのは嬉しいですよ」
「こら、優斗。いちいち雄を見せつけるな。もうとっくにお前は雌なんだから」
「妬いてるんですか?真川さん」
「妬きませんよ。いちいち、あなたに」
「素直じゃないですね。いいじゃないですか。私もさっき、あなたに嫉妬してましたよ」
菫の瞳を不機嫌に眇めた。
「なぜ、そんなことをわざわざ話すのですか」
「本気だからですよ」
蜂蜜色の瞳が、仮面の奥で光った。
「本気だから嫉妬する。私以外のものに明里君の注意がいくなんて嫌です」
「素直なんですね」
「はい。君が嫉妬していないのなら、私の勝ちです」
唇が弧を描く。
「本気じゃない人に、明里君は愛せない」
「嫌なこと、言いますね」
「相手の弱さを突くのも、恋愛の駆け引きですよ」
「アフぅンっ、雄ぅ〜!」
二対の瞳が俺をみかえった。
「おやおや。もう、ちんこが欲しいんですか。まだ君のモノにはほとんど触れてないのに」
「いいんだよ、優斗。いっぱい欲しがれ。いっぱいあげるから」
俺の本気は、お前だけに伝わればいい……
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