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ⅩⅡ思い出せないけれど、好き15

「そろそろ焦らすのはやめて、ゆっくり本番への準備をしましょうか」  ふわりと降り注いだ仮面の雄の人の声。 「本番?」 「えぇ、私達のを受け入れる準備です」  汗ばんだ前髪を掻き分けて、キスが降りた。 「なにを挿れるか分かりますか?」 「ちんこー!」 「そう。ちんこです。明里君は、とても聡明ですね」 「偉いぞ、優斗」  二人の雄の人に褒めてもらえて嬉しい。 「ほぐしましょうね。ゆっくり、じっくりと」 「痛くならないように……それはそれで辛いかも知れないけれど」 「つらい……の?」  心配そうに見上げた瞳に、二人の双眼が柔らかに首を振った。 「辛いというのには語弊がありました。安心してください。苦しくはありません。ただ……」 「ただ?」 「むず痒いような感覚がずっと続くかも知れない」 「私達にはよく分かりませんが」  チュッ  チュッ  右の耳と左の耳。  二人の雄が同時に口づけを落とした。 「オスマンコの中に、前立腺という所があるんだ」 「そこをきゅう〜と押したり、トントンしたりすると、たまらなくなるそうです」  チュウ  チュッ  熱い吐息と低い音色が、両耳のひだを這う。 「どんな屈強な雄も、そこを弄られると射精を我慢できなくなる」 「みんな雌になって、アンアン喘いでしまうんですよ」 「……俺も?」 「きっと」 「君もです」

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