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ⅩⅡ思い出せないけれど、好き18

「煽ってなんかないです」 「君は嘘つきだ」 「嘘つきの唇は……」  チュ 「塞いでしまいましょう」 「そうだな」  唇が交互に降りてくる。  菫の雄さんと仮面の雄さん。菫の雄さんが離れると、仮面の雄さんが降りてきて、仮面の雄さんの後はまた、菫の雄さんがやって来る。 「はふはふ」  口づけがだんだん深くなる。  息が上手くできない。 「汗びっしょりだ」 「興奮してるんですね。このままだと気持ち悪いでしょう。脱ぎましょうか」  ほとんどボタンの外されていたシャツ。 「はい、ばんざーい」  腕を上げて、脱がしてもらった。 「よくできました」 「偉いぞ」 「はんっ」  唇が胸の二つの実、同時に食べた! 「もう一つご褒美だ」 「上手く脱げた君へ、私達も脱いであげましょう」 「ただし、上だけな」  ネクタイを緩め、紐解き、ベッドの縁に投げ捨てる。  シャツのボタンを上から順番に外していく。 「外してみるか?見てるだけじゃ、つまらないだろう」  不意に菫の瞳が鼻先まで近づいた。 「ほら。このボタン外して……」  導かれるまま、シャツのボタンに手を掛ける。 「あっ」  首筋に触れた瞬間、少し汗ばんでいるのが分かった。 「俺も興奮しているからな。君が欲しくてたまらない」  触れた指を捕らえられて、鎖骨に落とされる。 「暑いから、脱がせて」  掠れた吐息が、鼓膜をくすぐった。  拙い指がボタンを外す。  緊張して時間ばかりが過ぎてしまう。 「脱がすだけなのに焦らすんだな」 「そんなつもり……ない」  そう言うので精一杯。ボタンを外すだけなのに、集中しないと指と指の間からボタンが零れそうになる。 「最後の一つ。がんばれ」  髪を掻き分けられて、低くて透明な声を囁かれる。  最後の一個。  ボタンが外れた。 「ありがとう。上手くできたな」  肩からシャツが滑り落ちる。  均整の取れた体……  きれい……

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